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「鞣し(なめし)」と呼ばれる、原皮から革が作られるまでの製造方法をご説明します。
今回は、国内屈指の老舗タンナーである栃木レザーさんのタンニン鞣し工程をご紹介いたします。
(ご参考:タンニン鞣しとクロム鞣しの違いについて)
▼ 鞣し(なめし)工程の流れ
▼ 鞣し工程
・原皮(げんぴ)
・水漬け
・背割り(原皮の半裁)
・脱毛、脱脂
・フレッシング
・水洗い
・酵解、浸酸
・鞣し(なめし)
・加脂
・染色
・乾燥
・仕上げ
・出来上がり
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(写真・説明文/靴のパラダイス店長 大嶋信之 取材協力/栃木レザー株式会社)
鞣し(なめし)工程の流れ
原皮を皮革(皮材料)へ加工する鞣し方法の、大まかな流れは以下の通りです。
食肉加工所
原料皮は全て食肉文化の副産物
↓
原料皮
↓
準備工程
脱毛-石灰漬け-酵解-ピックル(浸酸)
↓
鞣し(なめし)
前なめし-シェービング(1枚1枚裏削りして厚さを均等にします)-本なめし
↓
染色
中和-染色-加脂
↓
乾燥
吊り乾燥(木組みの専用干し場で1枚ずつ棒に掛けて自然乾燥します)-ネット張り乾燥(繊維方向に縮まった革を平らにするための工程です)
↓
「革」の出来上がり
鞣し工程
原皮(げんぴ)
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私たちが、靴やバッグ、ジャケットなどの革製品に使用している革は、食肉文化の副産物です。
肉を食べるために育てられた家畜の、肉を採る際に剥いた皮を加工し、革製品として有効利用しています。(革のために飼育される家畜は一頭もいません。)
この、剥いだ革を「原皮(げんぴ)」と言います。
水漬け
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原皮は、運搬時に腐らないよう塩漬けされているため、水に漬けて塩分を除去します。
大量の水をいれたドラムに、原皮を漬けて長時間回して塩分と汚れを落としながら、水分を戻します。
背割り(原皮の半裁)
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大きい動物の皮は、作業効率を高めるために、背骨に沿って左右に切り分けます。
脱毛・脱脂

原皮の毛を脱毛し、脱脂します。
原皮を石灰水と硫化ソーダの入ったドラムに入れて回し、脱毛しながら脱脂します。
フレッシング
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余分な脂を落として、皮の厚みを整えます。
水洗い
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フレッシング後、再度水洗いします。
酵解(こうかい)・浸酸(しんさん)
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鞣し剤が浸透しやすいように、酵解(こうかい/ベーチング)と浸酸(しんさん/ピックル)を行います。酵解とは余分なタンパク質を除去し、銀面(ぎんめん/革の表面)を綺麗にします。浸酸とは、鞣し剤が浸透しやすくするために、酸性液中に皮を浸す工程です。
鞣し(なめし)
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鞣し剤に皮を漬けて鞣します。
この工程により、動物の「皮」から、品質を一定に持つことができる「革」へ変化します。
加脂
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革に柔軟性を与えるため、生油や合成樹脂を使用して、加脂します。
この工程で非常に腐りにくい素材になります。
染色
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染料を使用し、希望の色に染め上げます。
乾燥
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染料や加脂剤を固着させるために乾燥させます。
仕上げ
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革の耐久性を得るように塗料などを塗布して銀面をコーティング・艶出しし、余分な箇所をカットし形を整え、仕上げます。
出来上がり
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以上で、革の出来上がりです。
自然の皮が、腐りにくく大変長持ちする素材に生まれ変わります。
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