紳士靴(男性用メンズシューズ)と婦人靴(女性用レディースシューズ)とでは、同じサイズでも足入れ感や大きさが異なります。メンズローファーとレディースローファーを例に、大きさを比較しながら説明していきます。
写真左がレディース(女性用)のローファー、右がメンズ(男性用)のローファーです。
どちらも同じサイズ「23.5cm(EEEワイズ)」ですが、全体的にレディース(左)の方が細身なのがわかります。
男性の方が、女性に比べ、踵や幅など足の骨格が大きいためです。
足入れイメージです。
ローファーのサイズ表記は革靴同様、JIS規格(日本工業規格)に基づいた「足入れサイズ」と呼ばれる、その靴を履く人の足の全長を表記しています。なので、23.5cmのローファーは、足の全長が23.5cmの方が履いてちょうど良いサイズになります。ナイキやアディダス、コンバースといったナショナルブランドのスニーカーとのサイズ表記基準とは異なりますので、ご注意ください。(ご参考:スニーカーと、革靴・ローファーのサイズの違いについて)
同じ23.5cmの足でも、女性の足に比べ、男性の足の方が全体的に太くなります。
実際に、サイズ23.5cm(ワイズEEE)のメンズローファーのソールを計測します。
アウトソールの実寸は、
・ソール全長:26.2cm
・ソール最大幅:10.2cm
・ヒール幅:7.0cm
でした。
重量は、片足265gでした。
JIS規格のサイズ表では、23.5cm(EEE)表記の紳士靴は、
・足の全長:23.5cm
・足幅:10.0cm
・足囲:24.6cm
の方が履いてちょうど良いサイズになるようです。
つま先の余裕分は、「捨て寸(すてずん)」と呼ばれる、歩行時に必要な余裕分となります。ちなみに、ナショナルブランドのスニーカーは、この捨て寸を含めたサイズを表記している場合が多いようです。
例)ローファーの23.5cm=スニーカーでは24.0~24.5cmくらいに相当
次に、同じサイズ23.5cm(ワイズEEE)のレディースローファーのソールを計測します。
アウトソールの実寸は、
・ソール全長:25.0cm
・ソール最大幅:9.3cm
・ヒール幅:6.5cm
でした。
重量は、片足225gでした。
JIS規格のサイズ表では、23.5cm(EEE)表記の婦人靴は、
・足の全長:23.5cm
・足幅:9.9cm
・足囲:24.3cm
の方が履いてちょうど良いサイズになるようです。
レディースの方が、メンズと比べ、全長が短く(捨て寸が少なめ)、幅も踵も狭い(小さい)ことがわかります。また重さも40g軽い結果でした。
最後に、ソールの大きさを比較してみます。
婦人用(左)と比べ、紳士用(右)の方が全体的に大きめです。
長さも長く、幅もかかとも広めです。
サイズの比較は以上です。
最近では、ユニセックス(男女兼用)の靴も多くありますが、基本的にはメンズとレディースでは足の骨格の大きさが異なるため、同じサイズでも足入れ感や大きさに違いがあります。
特に、足囲(足幅と甲の高さ)と、踵の大きさの2つが大きな違いです。また、それによって捨て寸の大きさが異なってくるのも注意が必要です。細身の女性の足では、男性用と比べ、捨て寸が小さくなる傾向があるからです。
ですので、サイズ選びの際は、男性の方はメンズ(男性用)を、女性の方はレディース(婦人用)を選んでいただくことが最適かと思います。
以上、サイズ選びのご参考にしていただければ幸いです。
(文・写真/靴のパラダイス店長 大嶋信之)
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