足の骨格を知ろう(足の骨格、骨の名称、関節、アーチなど)

足の骨格と、各骨の名称(名前)、足にある関節、アーチなどを説明いたします。

足の骨格模型を見てみる
骨格を見る
骨の名称(名前)
その他の名称と関節
足のアーチ
まとめ
関連ページ


足の骨格模型を見てみる

足の骨格模型

足の骨格模型を使って、足の骨格を見ていきます。
今回は右足の骨格模型を使います。

足の骨格模型 上から見た写真

上から見た写真。
足は、片足26個(種子骨含め28個)の骨から構成されています。

足の骨格模型 外側の横から見た写真

外側の横から見た写真。
足は骨の他に、大小28個の骨を結びつける筋肉や腱、靱帯でできています。
その他、血管や神経、関節もあります。(関連:足の筋肉について

足の骨格模型 内側の横から見た写真

内側の横から見た写真。
土踏まず部分。

足の骨格模型 裏から見た写真

裏から見た写真。
足の底面です。

骨格を見る

足の骨格 上下2つのグループに分かれる骨

足の骨格は、上下で二つのグループに分かれています。
第5趾(小指)と第4趾の骨が下側のグループで、第1趾(親指/母指)から3趾までが上側に乗っかるような構造になています。

骨の名称(名前)

足の骨格 趾骨(しこつ)、中足骨(ちゅうそくこつ)、足根骨(そっこんこつ/そくこんこつ)

足の骨は、大きく分けて3つの部位から構成されています。
足指の骨は「趾骨(しこつ)」、内部で分かれた指の骨を「中足骨(ちゅうそくこつ)」、それ以外の踵部分の骨を「足根骨(そっこんこつ/そくこんこつ)」と呼びます。

趾骨:基節骨、中節骨、末節骨
中足骨:中足骨
足根骨
近位列/踵骨、距骨
遠位列/舟状骨、楔状骨、立方骨

足の骨格の名称 末節骨(まつせつこつ)中節骨(ちゅうせつこつ)基節骨(きせつこつ)中足骨(ちゅうそくこつ)楔状骨(けつじょうこつ)舟状骨(しゅうじょうこつ)距骨(きょこつ)立方骨(りっぽうこつ)踵骨(しょうこつ)脛骨(けいこつ)腓骨(ひこつ)

詳しく見ていきます。
指先の骨を「末節骨(まつせつこつ)」、第2趾~第5趾(小指)にある第一関節と第二関節の間の骨を「中節骨(ちゅうせつこつ)」、指のつけ根の骨を「基節骨(きせつこつ)」、足の中に5本ある「中足骨(ちゅうそくこつ)」、第1趾(親指/母趾)~第3趾の根本の「楔状骨(けつじょうこつ)」、その3つを束ねる「舟状骨(しゅうじょうこつ)」、それを足首に結ぶ「距骨(きょこつ)」、第4趾と第5趾(小指)の中足骨の根本にある「立方骨(りっぽうこつ)」、それを距骨につなげ踵を支える「踵骨(しょうこつ)」。
足首の部分は、太い「脛骨(けいこつ)」と細めの「腓骨(ひこつ)」との二本で脚の骨になります。

足の骨格

踵骨(しょうこつ)」は踵の骨になっていて大きいです。
距骨に接し、脛骨(脚)へとつながります。

足の骨格の名称 第1~5中足骨(だい1~5ちゅうそくこつ)、第五中足骨粗面 (だいごちゅうそくこつそめん) 内側楔状骨 (うちがわけつじょうこつ)外側楔状骨 (そとがわけつじょうこつ)中間楔状骨 (ちゅうかんけつじょうこつ)距骨頭 (きょこつとう)外果 (がいか)内果 (ないか)

より詳しく見ていきます。
中足骨は5本に分かれていて、第1趾を第1中足骨(だいいちちゅうそくこつ)、第2趾を第2中足骨(だいにちゅうそくこつ)と言うように、第1~5まであります。第5中足骨の根本の横に突起した部分を「第五中足骨粗面 (だいごちゅうそくこつそめん)」と呼びます。
3つある楔状骨のうち、内側(第1趾)を「内側楔状骨 (うちがわけつじょうこつ)」、真ん中(第2趾)を「中間楔状骨 (ちゅうかんけつじょうこつ)」、外側(第3趾)を「外側楔状骨 (そとがわけつじょうこつ)」と呼びます。
距骨の先端(つま先側)を「距骨頭 (きょこつとう)」、脛骨の内側の突起を「内果 (ないか)」、腓骨の外側の突起を「外果 (がいか)」と呼びます。内果は「内踝(うちくるぶし)」に当たる部分で、外果は「外踝(そとくるぶし)」に当たる部分になります。

足の骨格の名称 種子骨(しゅしこつ)、母趾種子骨(ぼししゅしこつ)

足の裏を見ていきます。
第一趾(親指・母趾)の第一中足骨の骨頭に、二つの骨が付いています。
これを「種子骨(しゅしこつ)」と呼び、腱や靱帯の方向を変える滑車のような役割をします。
母趾種子骨(ぼししゅしこつ)」とも呼ばれます。

その他の名称と関節

次に、関節などを見ていきます。

足の骨格 関節の名称 指節間関節 (しせつかんかんせつ) 遠位指節間関節 (えんいしせつかんかんせつ) 近位指節間関節 (きんいしせつかんかんせつ) 中足指間関節 (ちゅうそくしかんかんせつ) 足根中足関節 (そくこんちゅうそくかんせつ) 足根洞 (そくこんどう) 距骨滑車 (きょこつかっしゃ)

足の指(足趾/そくし)は、親指に当たる「第一趾(だいいっし)母趾(ぼし)」から「第二趾(だいにし)示趾(じし)」、「第三趾(だいいさんし)中趾(ちゅうし)」、「第四趾(だいよんし)環趾(かんし)」、小指に当たる「第五趾(だいごし)小趾(しょうし)」の5本から構成されています。他の呼び方として、足指(あしゆび)、第1~5足指(だい1~5あしゆび)、足の第1~5指(あしのだい1~5し)などと呼ぶこともあります。
指(末節骨と基節骨)の関節を「指節間関節 (しせつかんかんせつ)」と言い、第二趾~第五趾にある第一関節(末節骨と中節骨との関節)を「遠位指節間関節 (えんいしせつかんかんせつ)」、第二関節(中節骨と基節骨との関節)を「近位指節間関節 (きんいしせつかんかんせつ)」と呼びます。
指のつけ根に当たる基節骨と中足骨との関節を「中足指間関節 (ちゅうそくしかんかんせつ)」、中足骨の根本にある楔状骨と立方骨との関節を「足根中足関節 (そくこんちゅうそくかんせつ)」と呼びます。
距骨と踵骨の隙間にある空洞を「足根洞 (そくこんどう)」と呼びます。
足首をスムーズに動かせるように、距骨と脛骨との接地面が曲線状に平らになっています。距骨側の平らな面を「距骨滑車 (きょこつかっしゃ)」と呼びます。

足のアーチ

足には、歩行を補助するために、3つのアーチが存在します。

足の骨格 アーチ部 内側縦アーチ

足の中で一番大きなアーチは、足の内側(第一趾・母趾側)にある縦アーチです。土踏ますに当たる部分で、「内側縦アーチ(うちがわたてあーち)」と呼ばれます。
身体の体重を支えるほか、歩行時や走行時の蹴り出しや、ジャンプ時の蹴り出し、着地時の衝撃吸収などの役割があります。

足の骨格 アーチ部 外側縦アーチ(そとがわたてあーち)

内側と同様に外側(第五趾・子趾側)にも縦アーチがあります。
外側縦アーチ(そとがわたてあーち)」と呼ばれています。
内側縦アーチと同様に、身体の体重を支え、歩行時や走行時の蹴り出しや衝撃吸収などの役割があります。

足の骨格 アーチ部 横アーチ(よこあーち)

3つ目のアーチは、中足骨にある横方向のアーチです。
横アーチ(よこあーち)」と呼ばれています。
アーチが柔軟に収縮することで、スムーズに歩行でき、体重を支えるだけでなく衝撃を吸収します。

足の骨格 3つのアーチ

足の裏です。
3つのアーチによって、かかと(踵)第5趾(小趾)のつけ根第一趾(親指・母趾)のつけ根の3点で、主に体重を支えています。

足裏の骨格 歩行時の体重移動

歩行時の体重移動の様子のイメージです。
踵から接地した体重は、踏み込みながら外側縦アーチを伝って第5趾(小趾)のつけ根へと移動し、屈曲時に横アーチを伝って第一趾(親指・母趾)のつけ根へと移り、最後の蹴り出し時は第一趾の指先から抜けていきます。よって、歩行の際はアーチで結んだこの3点が重要な役割を担っています。
ちなみに、かかとに接地した体重が、図のように最初に小指側(外側)に移動するため、正常でも靴のヒールやソールは外側から減りやすくなります。(X脚などで内側から減ってしまうという方は、脚や腰の負担にならないよう、矯正が必要になる場合があるようです。)

まとめ

以上が足の骨格ですが、意外にたくさんの骨が集中していることがわかります。構造も複雑で筋肉や靱帯、血管なども多く、他の部位にはそんな箇所は足以外ないそうです。手もほぼ同様の骨格で似ていますが、足は全体重を支えるという大きな役割を担っていて、手と比べると骨が大きめで筋肉なども強靱です。
足は第二の心臓」と言われる理由も、この筋肉量と血管のためだと思います。重力にによって下がった血液を、歩行することで足とふくらはぎなどの脚全体の筋肉が収縮し全身へ送り出して、心臓の機能を助けているのだと思います。
また、体の筋肉量の約7割が下半身に付くと言われていますので、足(脚)の役割は大きいと言えます。ウォーキングやジョギングなどで下半身を鍛えることは、体にとってとても良いことだと思いました。

(文・写真/靴のパラダイス 大嶋信之


足の骨格、筋肉、足裏のつぼ

足について(足の骨格・筋肉・アーチ・足裏のツボ、反射区)
足の骨格やアーチ、筋肉、足裏にある反射区(ツボ)などをご説明します。