
革靴の靴磨き(鏡面仕上げ)方法。
シューポリッシュを使って、革靴を鏡面磨き(シューシャイン)する方法(やり方)を説明します。
▼ シューケア用品を準備する
▼ 鏡面磨きの全体的なイメージ
▼ シューキーパーをセットする
▼ ブラッシング
▼ シューポリッシュを塗り込む
・水を用意する
・布を指に巻き付ける
・シューポリッシュを塗り込む
▼ 仕上げ(磨き)
・シューポリッシュに水滴を垂らす
・磨く
▼ 完了(仕上がり)
・つま先
・側面
・踵
▼ メンテナンス(アフターケア)
(文・写真/靴のパラダイス店長 大嶋信之)
シューケア用品を準備する

黒の革靴を黒のシューポリッシュを使って靴磨き(鏡面磨き・シューシャイン)します。
以下の靴用品を用意します。
・シューポリッシュ
・水(少量)
・靴ブラシ
・布
・シューキーパー
鏡面磨きの全体的なイメージ

鏡面磨きの要領としては、革の表面の毛穴などの細かな凹凸をポリッシュ(ワックス)で完全に埋めたうえで、最後に表面を平らにするイメージです。車のワックスがけとほぼ同じ要領です。
芯の入ったつま先部と踵部を中心にシューポリッシュを塗り込み、仕上げは水を使って表面を平らにします。
シューキーパーをセットする

靴にシューキーパー(シューツリー)をセットします。
シューキーパー(シューツリー)をセットすると、革のシワが伸びて作業しやすくなります。
ブラッシング

靴全体をブラッシングして、ホコリを落とします。
シューポリッシュを塗り込む
水を用意する

鏡面磨き(シューシャイン)にはシューポリッシュと「水」を使います。
シューポリッシュを開けて、蓋に水を少量入れておきます。
布を指に巻き付ける

布を指に巻き付けます。(→布の用意と巻き付け方)
指にピタッと密着させ巻き付けた方が、艶が出しやすくなります。
シューポリッシュを塗り込む

シューポリッシュを、布にとります。
初めのうちはけっこう多めの量をとります。

シューポリッシュを、つま先に塗っていきます。
円を描くように塗ると、まんべんなく塗ることができます。

必要に応じ、シューポリッシュを追加していきます。

塗り込みます。
好みにもよりますが、つま先先端は多めの塗り込み、徐々にポリッシュ層を薄くするよう心がけると、最後にグラデーションのように自然な艶感に仕上がります。

つま先から、サイド~かかとまで塗っていきます。

かかとは、つま先同様に芯が入っているので、広範囲に塗り込みます。
つま先の時と同じように、グラデーションのように塗り込む量を心がけると、最後に自然な艶感に仕上がります。
仕上げ(磨き)
シューポリッシュを塗り込み終えたら、仕上げ磨きをします。
綺麗な艶を出すコツは、布を擦ってしっかり摩擦熱を生じさせることです。
「水」+「ワックス」を「熱」で溶かして平らに仕上げるためです。油(ワックス)は熱がないと水と混じり合いません。
ですので、摩擦熱が生じないと、艶は出にくくなりますし、水を垂らす意味もなくなってしまいます。
ただ、力を入れて擦ってしまうと、せっかく塗ったポリッシュを落としてしまう恐れがあるので、あまり力を入れずに、革表面をできるだけスピーディに擦らせることがコツです。
シューポリッシュに水滴を垂らす

水を手に取ります。

ポリッシュを塗った箇所に、水滴を垂らします。
磨く

少量のシューポリッシュを布にとります。

表面を舐めるように擦って磨きます。
最初は円を描くようにし、徐々に直線的に磨きます。
スピーディに擦って摩擦熱を出して、ポリッシュを水と熱で溶かして平らにします。

シューポリッシュを塗った箇所、またその周囲も同様に磨いていきます。

コバ周りもついでに磨いていきます。綺麗になります。

かかと周りも同様に磨きます。

必要に応じ追加で水を垂らします。

少量のシューポリッシュを布に取ります。

表面を平らにするよう心がけ、磨きます。
必要に応じ、ごく少量の水を垂らしながら磨いていきます。

靴全体を磨いて、納得のいく艶が得られたら終了です。
完了(仕上がり)
つま先

磨き終えたつま先部。
平らになればなるほど、鏡のように映るほどの輝きが得られます。

先端部は、まるで鏡のように反射する透明感です。

今回は、先端部にシューポリッシュを多めに塗って、グラデーションのような自然な艶感になるように心がけました。
側面

サイド部分。
ソールの立ち上がり部分に程よい量を塗ったので、自然な艶感です。
踵

踵部はつま先同様多めに塗り込みました。
鏡のような強い光沢です。

踵もつま先同様、最後部にシューポリッシュを多めに塗って、自然な光沢グラデーションを心がけました。
メンテナンス(アフターケア)
鏡面仕上げ後、お履きになるうちに、艶が白く濁ったり、細かなひび割れを起こしてしまう場合があります。その場合は、ポリッシュは追加せずに水滴だけを垂らして磨き直す(元のポリッシュを摩擦熱と水で溶かして平らにする)か、「仕上げ(ポリッシュ+水で磨き直す工程)」を再びすると、濁った艶が復活したり、ひび割れも多めの水を使って磨いて摩擦熱でワックスを溶かすと、直る場合があります。
それでも直らない場合は、シューポリッシュを布にとって強く擦ると、元のポリッシュが落ちます。
クリーナーでもポリッシュを落とすことができますが、すべて落とすとなると大変な作業になってしまいます。
追加ポリッシュ、または水(+摩擦熱)で元のポリッシュを薄める(溶かして均一にする)などの方が簡単ですので、お試しいただく価値があります。