靴磨き方法(鏡面仕上げ、シューシャインのやり方)

シューポリッシュと革靴-靴磨き(鏡面磨き・シューシャイン)方法

革靴の靴磨き(鏡面仕上げ)方法。
シューポリッシュを使って、革靴を鏡面磨き(シューシャイン)する方法(やり方)を説明します。

シューケア用品を準備する
鏡面磨きの全体的なイメージ
シューキーパーをセットする
ブラッシング
シューポリッシュを塗り込む
 ・水を用意する
 ・布を指に巻き付ける
 ・シューポリッシュを塗り込む
仕上げ(磨き)
 ・シューポリッシュに水滴を垂らす
 ・磨く
完了(仕上がり)
 ・つま先
 ・側面
 ・
メンテナンス(アフターケア)

(文・写真/靴のパラダイス店長 大嶋信之


シューケア用品を準備する

シューポリッシュ、水、靴ブラシ、布、シューキーパー

黒の革靴を黒のシューポリッシュを使って靴磨き(鏡面磨き・シューシャイン)します。
以下の靴用品を用意します。

シューポリッシュ
・水(少量)
靴ブラシ

シューキーパー

鏡面磨きの全体的なイメージ

鏡面磨きの全体的なイメージ図

鏡面磨きの要領としては、革の表面の毛穴などの細かな凹凸をポリッシュ(ワックス)で完全に埋めたうえで、最後に表面を平らにするイメージです。車のワックスがけとほぼ同じ要領です。
芯の入ったつま先部と踵部を中心にシューポリッシュを塗り込み、仕上げは水を使って表面を平らにします。

シューキーパーをセットする

シューキーパーを靴にセットする
(写真の靴:PARASHOE 革底 内羽根ストレートチップ グッドイヤーウェルト製法

靴にシューキーパー(シューツリー)をセットします。
シューキーパー(シューツリー)をセットすると、革のシワが伸びて作業しやすくなります。

ブラッシング

革靴をブラッシング

靴全体をブラッシングして、ホコリを落とします。

シューポリッシュを塗り込む

水を用意する

シューポリッシュと水

鏡面磨き(シューシャイン)にはシューポリッシュと「水」を使います。
シューポリッシュを開けて、蓋に水を少量入れておきます。

布を指に巻き付ける

シューポリッシュを塗る布を指に巻き付ける

布を指に巻き付けます。(→布の用意と巻き付け方
指にピタッと密着させ巻き付けた方が、艶が出しやすくなります。

シューポリッシュを塗り込む

シューポリッシュを布にとる

シューポリッシュを、布にとります。
初めのうちはけっこう多めの量をとります。

シューポリッシュを革靴に塗りこむ

シューポリッシュを、つま先に塗っていきます。
円を描くように塗ると、まんべんなく塗ることができます。

シューポリッシュを追加する

必要に応じ、シューポリッシュを追加していきます。

シューポリッシュを塗り込む

塗り込みます。
好みにもよりますが、つま先先端は多めの塗り込み、徐々にポリッシュ層を薄くするよう心がけると、最後にグラデーションのように自然な艶感に仕上がります。

靴全体にシューポリッシュを塗り込む

つま先から、サイド~かかとまで塗っていきます。

革靴かかとにシューポリッシュを塗り込む

かかとは、つま先同様に芯が入っているので、広範囲に塗り込みます。
つま先の時と同じように、グラデーションのように塗り込む量を心がけると、最後に自然な艶感に仕上がります。

仕上げ(磨き)

シューポリッシュを塗り込み終えたら、仕上げ磨きをします。
綺麗な艶を出すコツは、布を擦ってしっかり摩擦熱を生じさせることです。
「水」+「ワックス」を「熱」で溶かして平らに仕上げるためです。油(ワックス)は熱がないと水と混じり合いません。
ですので、摩擦熱が生じないと、艶は出にくくなりますし、水を垂らす意味もなくなってしまいます。
ただ、力を入れて擦ってしまうと、せっかく塗ったポリッシュを落としてしまう恐れがあるので、あまり力を入れずに、革表面をできるだけスピーディに擦らせることがコツです。

シューポリッシュに水滴を垂らす

水ととる

水を手に取ります。

シューポリッシュに水滴を垂らす

ポリッシュを塗った箇所に、水滴を垂らします。

磨く

シューポリッシュを布にとる

少量のシューポリッシュを布にとります。

シューポリッシュを磨いて仕上げる

表面を舐めるように擦って磨きます。
最初は円を描くようにし、徐々に直線的に磨きます。
スピーディに擦って摩擦熱を出して、ポリッシュを水と熱で溶かして平らにします。

靴全体にシューポリッシュを磨いて仕上げる

シューポリッシュを塗った箇所、またその周囲も同様に磨いていきます。

コバ周りにシューポリッシュを磨いて仕上げる

コバ周りもついでに磨いていきます。綺麗になります。

踵部分にシューポリッシュを磨いて仕上げる

かかと周りも同様に磨きます。

水滴を追加する

必要に応じ追加で水を垂らします。

シューポリッシュを布にとる

少量のシューポリッシュを布に取ります。

かかと部分にシューポリッシュを磨いて仕上げる

表面を平らにするよう心がけ、磨きます。
必要に応じ、ごく少量の水を垂らしながら磨いていきます。

靴全体をシューポリッシュを磨いて仕上げる

靴全体を磨いて、納得のいく艶が得られたら終了です。

完了(仕上がり)

つま先

磨き終えたつま先部

磨き終えたつま先部。
平らになればなるほど、鏡のように映るほどの輝きが得られます。

磨き終えたつま先部側面

先端部は、まるで鏡のように反射する透明感です。

磨き終えたつま先部内側

今回は、先端部にシューポリッシュを多めに塗って、グラデーションのような自然な艶感になるように心がけました。

側面

磨き終えた靴全体

サイド部分。
ソールの立ち上がり部分に程よい量を塗ったので、自然な艶感です。

磨き終えたかかと部

踵部はつま先同様多めに塗り込みました。
鏡のような強い光沢です。

磨き終えたかかと部内側

踵もつま先同様、最後部にシューポリッシュを多めに塗って、自然な光沢グラデーションを心がけました。

メンテナンス(アフターケア)

鏡面仕上げ後、お履きになるうちに、艶が白く濁ったり、細かなひび割れを起こしてしまう場合があります。その場合は、ポリッシュは追加せずに水滴だけを垂らして磨き直す(元のポリッシュを摩擦熱と水で溶かして平らにする)か、「仕上げ(ポリッシュ+水で磨き直す工程)」を再びすると、濁った艶が復活したり、ひび割れも多めの水を使って磨いて摩擦熱でワックスを溶かすと、直る場合があります。
それでも直らない場合は、シューポリッシュを布にとって強く擦ると、元のポリッシュが落ちます。
クリーナーでもポリッシュを落とすことができますが、すべて落とすとなると大変な作業になってしまいます。
追加ポリッシュ、または水(+摩擦熱)で元のポリッシュを薄める(溶かして均一にする)などの方が簡単ですので、お試しいただく価値があります。