靴にぴったり合った形状とサイズ(ジャストフィット)のインソール(中敷き)を作る方法
革靴(ビジネスシューズ・紳士靴)のサイズがゆるい(大きい)場合、インソール(中敷き)でサイズを調整することがあります。その際、靴にぴったり合った形状とサイズのインソールを作りたい場合もあると思います。
どんな靴にもぴったり合う、ジャストフィットのインソールの作り方をご紹介いたします。
【1】紙を用意する
靴底(ソール)をカバーできるだけの大きさの紙を用意します。
【2】靴底をなぞった線を描く
シャーペンを使って、紙に靴底(ソール)周りをなぞった線を描きます。
【3】輪郭の内側に線を描く
次に、描いたソールの輪郭線の内側に同じ線を描きます。
外線と内線との距離は、ソールのコバ(ウェルト)の張り出し幅と甲革の厚みを考慮します。
写真の靴(マッケイ製法)の場合は、コバの張り出し分の5ミリ程度を意識しました。
※マッケイ製法やセメント(接着)製法の靴で、甲革も薄くコバの張り出しが少ない靴の場合は小さめに、グッドイヤーウェルト製法の靴のように、甲革も重厚でコバ張り出しが大きい靴の場合は大きめにとります。
【4】内線に沿ってカットする
描いた内線に沿って、紙をカットします。
【5】真ん中をカットする
紙の真ん中(土踏ますあたり)をカットします。
長さを調整するためです。
【6】つま先部分を靴に入れる
カットしたつま先部分を靴に入れます。
つま先の先端に隙間がなくなるよう、めいいっぱい先に入れます。
【7】かかと側にテープを付ける
かかと側の上部に、セロハンテープを付けます。
【8】かかと側も靴に入れる
かかと側の紙も靴に入れます。
かかとに隙間がなくなるよう、めいいっぱいかかと側に寄せ、つま先側の紙もつま先いっぱいに入っていることを確認し、付けておいたセロハンテープを留めます。
【9】紙を靴から取り出す
紙を取り出します。
【10】輪郭を修正する
接合部分のずれた輪郭線を、滑らかに修正します。
【11】修正した輪郭線に沿ってカットする
修正した輪郭線に沿って、紙をカットします。
これが、靴に合ったインソールの型紙となります。
【12】靴に合わせてみる
靴に入れて、サイズや形状を確認します。
写真はぴったり合いました。
【13】大きめのインソールに重ねる
フリーサイズなどの大きめのインソール(中敷き)を用意し、作成した型紙に重ねます。
インソールのはみ出ている箇所をカットすれば、靴にぴったり合うインソールの出来上がりです。
【13】インソールをカットする
型紙に沿ってカットしたインソール(写真左)。
【14】靴に入れてみる
靴に入れてみます。
今回はぴったり合いました。
インソールの厚みによってサイズが収まらない場合がありますので、その場合は、つま先の両方を少しカットしぴったり収まるように調整します。(調整の仕方のご参考)
【まとめ】
つま先とかかとの形状とサイズが、靴とぴったり合ったインソールなら、歩行時にずれ動くこともなく快適に履くことができます。
本手順で作成した型紙を、厚紙で作成して保管しておくととても便利です。
場合によっては、薄い一枚革を型紙どおりカットすれば、全敷きを作ることができますし、厚みのある革をカットすれば中底の補強にも使えます。
また寸法を計測すれば、靴内の全長や幅のおおよその寸法を確認することもできます。
(文・写真/靴のパラダイス)
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