靴修理Q&A:スローウェアライオン(SLOW WEAR LION)エンジニアブーツのソール剥がれが接着直し修理(リペア・修繕・補修)可能かどうか

スローウェアライオン(SLOW WEAR LION)エンジニアブーツのソール剥がれ部分

質問内容:昨年スローウエアライオンのエンジニアブーツを中古で買いました。ソールは新しいのですがブーツ自体は古いらしくセメント製法のソールが剥がれていました。チェーン店の修理屋さんに出して2回直していただきましたがすぐに剥がれてしまいました。これ以上できないと言われまして困っております。ソールはVibramのものでほぼ新品に見えます。左の方が剥がれてますが右も開けば剥がれそうです 両足のソール再貼り付けをお願いします。

回答:
職人に確認いたしましたところ、修理は可能だろうとのことでした。
修理内容といたしましては、今付いているヒールを外し、元のウェルトとソールをしっかり再接着したうえで、ソールを靴にマッケイ式で縫い付け、ヒールは新しいものへ交換する(外したヒールは使えないそうため)内容になるとのことでした。ヒールを外さないと、ウェルトの巻き直しなどができないそうです。ソールはマッケイ縫いで縫い付けますので、修理後は剥がれる心配はなくなります。
ヒールは、元と同じビブラム700を使用し、添付写真のように革を積み上げてナチュラルで仕上げれば、元とほぼ変わらない体裁に復元できそうです。

革積み上げヒール(ナチュラル仕上げ)+ビブラム(Vibram)700ヒールでの修理例

Q&A:ロックステッチについて

「ロックステッチ」底付け(ソールの縫い付け)時の縫い方について
https://www.parashoe.co.jp/shoes/footwear#rockstetch

靴の修理サービスや通販で靴を永く販売・提供させていただく中で、たまにいただく質問が、「ソール(靴底)を縫ったステッチが擦り切れてしまったら、ソールが剥がれてしまうのではないか?」といったご質問です。
結論からお答えしますと、簡単にソールは剥がれることはないのでご安心ください。

ロックステッチ-ソールの両側から交差縫い

なぜかというと、マッケイ式グッドイヤーウェルト式(またはハンドソーンウェルテッド式)、ブラックラピド式ステッチダウン式といった、マッケイ(アンズ)縫い出し縫いでソールを縫い付ける製法で、靴製造や修理(ソール交換)する場合の縫い付け方式が「ロックステッチ」と呼ばれる、ソールの両側(靴内側と地面側)から二本の縫い糸を絡めながら縫うためです。そのため、地面側のステッチ糸が擦れて切れたとしても、もう一方側の糸は切れていないので、縫いがほつれることはなく、ソールは剥がれることはないです。
また、ソールを縫い付ける前には、しっかり接着も行っていることが多く、たとえ両方のステッチがほつれたとしても、簡単に剥がれるといったこともありません。

グッドイヤーウェルト製法の出し縫いステッチが切れている様子

上の写真は、グッドイヤーウェルト式の革靴(ドレスシューズ・ビジネスシューズ・紳士靴)の地面側の出し縫い糸が、擦れて切れている写真です。こういう状況になっても、ソールは剥がれていません。もう一方(ウェルト側)のステッチが健在だからです。ちなみに、歩行時に一番擦れやすいのはソール中央部であって、縫い糸の箇所(ソールの端部分)は擦れにくい場所なので、糸が簡単に擦り切れるといったことは少ないです。

グッドイヤーウェルト式製法の底面(ソール側)の出し縫い糸(ステッチ)が切れてほつれている状態

写真は、グッドイヤーウェルト式製法の紳士靴の底面(ソール側)の出し縫い糸(ステッチ)が切れてほつれている様子です。

グッドイヤーウェルト式製法のウェルト側(コバ)の出し縫い糸(ステッチ)はほつれていない

同じ箇所の対のウェルト側の出し縫い糸(ステッチ)。
全くほつれておらず、ソールも剥がれていません。
ウェルト側(上部)の糸と、底面(ソール)側(下部)の糸は別々で、二本の糸がソール内で綾かけのように縫われているためです。


Q&A:革靴(ビジネスシューズ・ドレスシューズ・紳士靴)のウェルトのつなぎ目について

ウェルトのつなぎ目について
https://www.parashoe.co.jp/shoes/footwear#welt

靴を通販でご購入いただいたお客様より、たまにお問い合わせいただく事例として、ウェルトのつなぎ目についてがあります。

グッドイヤーウェルト式製法で作られた紳士靴(革靴・ビジネスシューズ)のウェルト(細革・コバ)のつなぎ目
(画像の靴:British Classic 本革底 ウィングチップ グッドイヤーウェルト式

上の写真は、グッドイヤーウェルト式のドレスシューズ(革靴・ビジネスシューズ・紳士靴)ですが、内側(土踏まず側)のソール上部に、つなぎ目のような隙間があります。これを見たお客様が「コバが割れている」とか「ソールが割れている」などとお問い合わせいただくことがあります。またこの位置が左右で違うというご指摘をいただくこともあります。

グッドイヤーウェルト式やハンドソーンウェルテッド式で用いられる細革(ウェルト・押渕)
(画像の商品:本革スリットウェルト

実は、このつなぎ目は、ウェルトという写真のような「細革(ほそかわ)」とか「押し縁(おしぶち)」と呼ばれる一本のパーツを巻いたつなぎ目なのです。
底付け(ソール装着工程)の前に、この細革をアッパーに固定(グッドイヤーウェルト式の場合は「すくい縫い」という方法で縫い付けます)したうえで、ソールを装着します(グッドイヤーウェルト式の場合は、アッパーに縫い付けたこの細革にソールを「出し縫い」という方法で縫い付けます)。
職人による手作業での工程のため、左右ぴったり同じ位置ではない場合もございます。

セメント(接着)式の紳士靴(革靴・ビジネスシューズ)のウェルト(細革・コバ)のつなぎ目

上の写真は、セメント(接着)式の紳士靴(革靴・ビジネスシューズ)です。
セメント式やマッケイ式でも、ウェルトのある靴には、このつなぎ目があります。(ウェルトのないソールや、出来合いのソール、インジェクションモール式のようなソール形成方式で作られた靴には、このつなぎ目はないです。)

セメント式やマッケイ式で使われるウェルト(細革・押渕)
(画像の商品:本革ウェルト ステッチ付き ギザあり

写真は、セメント式やマッケイ式で使われるウェルトの一例です。
ギザギザになっている箇所を、アッパーに接着したうえでソールを装着します。(マッケイ式の場合は「アンズ縫い」または「マッケイ縫い」と呼ばれる方法でソールをアッパーに縫い付けます。)

以上ですが、伝統的な本格派紳士靴には、大抵このつなぎ目が見られます。
靴修理でにおいてマッケイ式やブラックラピド式でオールソール交換する際に新たにウェルトを設置した場合でも、同様のことが言えます。


靴修理Q&A:ドクターマーチン(Dr.Martens)3ホール(Archie II Oxford Shoe 25009001)をビブラム(Vibram700)+レザーミッドソール+革積み上げヒールへカスタム(オールソール交換修理)が可能かどうか

質問内容:ドクターマーチン 3ホール Archie II Oxford Shoe 25009001 のソールの交換を、ホームページで紹介されていた、以下の方法で修理することは可能でしょうか?また、可能でしたら費用はいくらになるか教えてください。

ドクターマーチン(Dr.Martens)Uチップ カジュアルドレスシューズ 黒スエード(メンズ 革靴・ビジネスシューズ・カジュアル紳士靴)オールソール交換修理(靴底張替え修繕リペア)/ビブラム(vibram)700(黒)+レザーミッドソール+革積み上げヒール-マッケイ製法
ドクターマーチン(Dr.Martens)Uチップ カジュアルドレスシューズ 黒スエード(メンズ 革靴・ビジネスシューズ・カジュアル紳士靴)オールソール交換修理(靴底張替え修繕リペア)/ビブラム(vibram)700(黒)+レザーミッドソール+革積み上げヒール-マッケイ製法

回答:
修理は可能です。
ただ、ドクターマーチン 3ホールの場合、構造上、
添付写真のソール上部(ウェルト部分)を残すかたちになります。
また、エアソール独特の履き心地は維持することができません。
お見積もりは以下の通りです。

【御見積】
ビブラム700(黒)オールソール
レザーミッドソールカスタムリペア
送料

ドクターマーチンのエアソール上部(ウェルト部分)

靴修理Q&A:クラークス(CLARKS)ワラビーのクレープソールでオールソール交換修理(靴底張替・修繕補修)の費用について

質問内容:クラークスワラビーのクレープソールでのオールソール交換を考えていますが、費用はどのくらいでしょうか?

回答:
写真を2枚添付いたします。
以下のお見積もりは、クラークスの通常のワラビータイプ(写真1)の場合となります。
つま先とかかとが巻き上がったナタリータイプ(写真2)の場合は、手作業工程が多くなるため少し高額になります。(→ナタリーの修理料金

【御見積(修理内容)】
天然クレープソール(生ゴム)
送料

クラークス(CLARKS)ワラビーのクレープソールのオールソール交換修理例
クラークス(CLARKS)ワラビーのオールソール交換修理例
クラークス(CLARKS)ナタリーのクレープソールのオールソール交換修理例
クラークス(CLARKS)ナタリーのオールソール交換修理例

靴修理Q&A:チャーチ(CHURCH’S)グッドイヤーウェルト製法のローファーを厚底(上げ底)へカスタム修理(オールソール交換)が可能かどうか

質問内容:チャーチのローファーを、上げ底へカスタムを検討しています。
カジュアルで履くので、けっこうソールにボリュームを持たせてもいいと考えています。
どのくらい厚底にできるのでしょうか?だいたいの料金と納期も知りたいです。

CHURCH’S(チャーチ)ローファーのソールカスタム(厚底・上げ底)前

回答:
厚底へのカスタムは、軽量EVAミッドソールを数枚使用して、ご希望の厚みへ仕上げることが可能です。仕上げる厚みによって料金が異なってきます。(厚底への修理)納期は4~5週間頂いております。

ニューアンドリングウッドのローファを厚底(上げ底)にカスタムしたオールソール交換修理例

写真は、ニュー&リングウッドのローファーの厚底(上げ底)へのカスタム修理事例です。
ヒール高6.5cmへとのお客様のご指定で、バランスを見てソールの厚みは4.5cm厚に仕上げています。
この内容での修理料金は、ビブラム100厚底(10ミリ×4枚)となりました。

ユナイテッドアローズ「TOOLS AND CONSTRUCTION」のタッセルローファをレザーミッドソールで厚底(上げ底)にカスタムしたオールソール交換修理例

こちらの写真は、ユナイテッドアローズ(TOOLS AND CONSTRUCTION)のタッセルシューズを、レザー(革)ミッドソールで厚底にした修理例です。
レザーミッドソール(約3.5ミリ)を2枚重ねていますので、
ソール厚は17~19ミリ、ヒールの高さは3.5cm程度だったと思います。
この内容での修理料金は、ビブラム1100レザーミッドソール&革積み上げヒールカスタムリペア+レザーミッドソール1枚追加でした。

なお、厚底にすると、元より屈曲しにくくなり歩きにくくなりますので、その点はご了承いただけますよう、お願い申し上げます。


追加質問:
見た目の好みで言うと、上の写真だとやりすぎ、下の写真だと少し物足りない感じにはなります。
履き心地は大きく変わるのは悩みどころです…。
ヒールは現在の靴を見てもらって、出来るだけバランスが変わらないようにしてもらった方が良いです。
今の履き心地は気に入っていますので。

回答:
履き心地をできるだけよくしたい場合は、ミッドソールはEVAの方がよいかと思います。EVAは軽量発泡系ラバーでクッション性にも優れています。
ソール厚2.5~3.0cm、ヒール4.0~4.5cmくらいがほど良いかもしれません。
ご希望の厚みをご連絡いただけましたら、御見積させていただきます。

サントーニのダブルモンクストラップを厚底(上げ底)にカスタムしたオールソール交換修理例

ちなみに、こちらの写真はサントーニのドレスシューズを、ソール厚2.5cm、ヒール高5.0cmで仕上げた修理例です。
アウトソールは、履き心地を考慮してスポンジソールを使用しています。(履き心地は良いそうです。)
バランス的にはヒールは4.0mくらいがよいと思います。基本的には、特にご指定がない場合は元のバランス(ヒール高低差)を考慮し、決めさせていただきます。
この内容での修理料金は、ビブラムソール8359(ワイドライン)厚底(10ミリ1枚+5ミリ1.5枚)となります。
ご参考までに。

靴修理Q&A:雪道(積雪)に対応するビブラムソール(Vibram 靴底)について

質問内容:北海道の積雪や雪道用にビブラムソールの張替を検討しています。
今は、ビブラム4014の白が付いていて、磨り減った状態です。それでもなんとか歩ける程度です。
ビブラム700は、雪道でも大丈夫そうでしょうか?ほかのビブラムソールのほうがよいでしょうか?
教えていただきたいです。

回答:
ビブラム700は、ビブラム4014に比べ、グリップ溝が浅いので、雪道では滑りやすいのではないかと思います。ただ現状、ビブラム4014の磨り減った状態でお履きいただいているということですので、700でも多少大丈夫な気もしますが、できれば雪道では、添付写真1(ビブラム100)のようにグリップ溝のしっかりしたビブラムソールをおすすめいたします。
また、添付写真2の「ビブラム100 ファイヤーアンドアイス」という、熱にも強く、寒冷地にも強い素材を使ったソールもおすすめです。
添付写真3は「ビブラム アークティックグリップ」という、凍結した路面でもグリップの効く冬用ソールもございますので、こちらも併せておすすめできます。
ファイヤーアンドアイスと、アークティックグリップは、ソール中央の白色のマーカーが氷点下になると青色に変色することで、凍結の危険性を警鐘してくれます。

ビブラム(Vibram)100、100ファイヤーアンドアイズ、アークティックグリップソールでのオールソール交換修理例

靴修理Q&A:フェラガモ(Ferragamo)ローファードレスシューズのオールソール交換修理(靴底張替補修・修繕)が可能かどうか

靴:フェラガモ ドレスシューズ
質問内容:底の張替えが可能でしょうか?
可能ならばお見積りをお願いいたします。

フェラガモ(Ferragamo)紳士革靴(ビジネスシューズ)のソール摩耗破損部分


回答:
修理は可能だと思います。
修理ソールは、添付しますビブラム2055ラバーソールなどがドレスシューズとの相性が良いので、おすすめしています。
また、元のソールはウェルト一体式のようですので、ソール交換に併せウェルトを設置する必要がございます。
以下は、以上の内容での御見積もりでございます。
(その他のソールをご希望の場合は、お申し付けください。)

【修理内容(御見積)】
オールソール交換修理(ビブラム2055)
ウェルト設置
送料

ビブラム(Vibram)2055黒でのオールソール交換修理例

靴修理Q&A:リーガル(REGAL)の革靴(ビジネスシューズ・紳士靴)を雪仕様のソール(靴底)へ貼り替え(オールソール交換修理)したい

靴:リーガル プレーントゥ ドレスシューズ
質問内容:靴底を雪仕様でビブラムソールを貼りたい考えてます
メイン用途はビジネスとなります 初めてのカスタムなので、ご相談しつつお願いしたく思います

リーガル(REGAL)プレーントゥ 革靴(ビジネスシューズ・紳士靴)のソール摩耗部分

回答:
ソールの写真を3枚添付いたします。
写真1は、ビブラムタンクソールです。グリップ溝が深いため、雪道でも滑りにくいソールです。ただ、どうしてもカジュアル感が出てしまいます。
写真2、同じタンクソールで、耐熱性と寒冷地などの低い温度に強い素材です。こちらも、溝が深いためグリップ力がありますが、カジュアル感が強いです。
写真3、ビブラム冬用ソールです。凍結した道などでもグリップが効く素材を使用しています。デザイン的にもドレスシューズと相性が良いですので、おすすめできるかと思います。
以下は、以上の内容での御見積もりでございます。
(その他のソールをご希望の場合は、お申し付けください。)

【御見積(修理内容)】
紳士靴(リーガル)オールソール
ビブラムタンクソール(写真1)の場合
ビブラム100ファイヤー&アース(写真2)の場合
ビブラムS1219冬用ソール(写真3)の場合
送料

ビブラム(Vibram)1136、100ファイヤー&アイス、S1219アークティックグリップ冬用ソール

靴修理Q&A:ティンバーランド(Timberland)オパンケ製法のブーツのオールソール交換修理(靴底張替リペア・修繕・補修)が可能かどうか

靴:Timberland(ティンバーランド)ブーツ
質問内容:こちら修理可能ですか?

Timberland(ティンバーランド)ブーツ ソール摩耗部分

回答:
添付する写真のVibramカップソールで、形状が合えば修理が可能かと思います。
ソールの色は白と黒がございますので、元に近いのは白になるかと思います。
ソールを装着し、アッパー側面からオパンケ式で縫い付けます。
万一、形状が合わなかった場合は、着払いでご返送させていただくか、当方で破棄させていただくかたちになります。
職人に写真を確認いたしましたが、写真を拝見する限り、形状的に大丈夫そうとのことでした。
以下は、以上の内容での御見積もりでございます。

【お見積】
ビブラムカップソール
送料

Vibram(ビブラム)カップソールでのオールソール交換修理例