「三澤則行 ニューヨークへの道」シューフィル aging mook 2018

お役に立ちそうな靴の豆知識や、面白そうな靴・シューズに関する情報をランダムにご紹介。
今回は、2018年に発行された「シューフィル aging mook 2018」(シューフィルC&Cネットワーク刊)より、国内外で活躍する靴職人でありシューズアーティストの三澤則行(みさわ のりゆき)氏のニューヨークでの個展を特集した「三澤則行 ニューヨークへの道」をご紹介。

シューフィル(SHOEPHILE)aging mook 2018

シューフィル(SHOEPHILE)aging mook 2018
表紙の写真も三澤氏の靴だ。

「三澤則行 ニューヨークへの道」2009年から2017年11月、そして・・・

「三澤則行 ニューヨークへの道」2009年から2017年11月、そして・・・/シューフィル(SHOEPHILE)aging mook 2018

2017年11月、ニューヨークで個展を行い大盛況を収めた、靴職人・三澤則行氏の個展開催に至るまでの経緯やエピソードが特集されている。

「三澤則行 ニューヨークへの道」シューフィル(SHOEPHILE)aging mook 2018

幼い頃から母親の趣味の美術画集に囲まれて育ったという三澤氏が、靴づくりを志すに至る経緯、ニューヨークの靴学校での特別講師としての経験、オーストリア・ウィーンでの修行、銀座での初個展、カンヌ映画祭での海外女優や映画監督からの靴の受注など、三澤氏の靴作品の写真と共に、2017年ニューヨーク個展への道のりが時系列で記されている。

履くためのファッションとしての靴はもとより、アートとしての靴づくりにも同時に励む三澤氏の今後の活躍が楽しみです。

▼「シューフィル aging mook 2018」書籍版

▼「シューフィル aging mook 2018」電子(Kindle)版

MONOKOBO 浅草ものづくり工房 第3期(2016年4月入居者)追加募集中!

MONOKOBO 浅草ものづくり工房 第3期(2016年4月入居者)追加募集中!

MONOKOBO「浅草ものづくり工房」
ファッションザッカクリエイター、若手職人の独立起業を支援するシェアスタジオ
人つどい、もの生まれる。 www.monokobo.jp

第3期(2016年4月入居者)追加募集中!
【追加募集期間】2016年1月5日(火)~1月29日(金)
【書類審査及び面接審査】2016年2月
【入居期間】平成28年4月より3年間(1年毎に入居更新審査)
【応募・問合せ先】台東区役所 産業振興課(浦里・宇佐美)
電話:03-5246-1131 E-mail:sangyo@city.taito.tokyo.jp
ホームページ:http://www.city.taito.lg.jp/index/kurashi/shigoto/

■詳細ページ(台東区ホームページ):
「浅草ものづくり工房」入居者を募集します[平成28年1月29日締切]

■浅草ものづくり工房は、台東区の地場産業である靴、鞄、バッグ、ベルト、帽子、ジュエリー、アクセサリーなど、ものづくり分野で事業を興し、成長させていこうという個人や創業間もない法人を支援するための施設として、平成21年12月、台東区橋場に開設されました。
■浅草ものづくり工房の入居ルームは全9室。経営、マーケティング、営業、ネットワークづくりなど、様々な支援を提供することで、入居期間中(原則3年以内)に、企業としての十分な競争力を身につけ、独り立ちすることを援助、促進しています。

浅草ものづくり工房
〒111-0023 東京都台東区橋場1-36-2
台東区立産業研修センター
Tel&Fax:03-3876-3720
E-Mail:info@monokobo.jp
ホームページ:http://www.monokobo.jp/

Mishoe(ミッシュ)~本当に必要な無駄なもの展~ @vm(ヴーム)自由が丘店

Mishoe
~本当に必要な無駄なもの展~
2015.12.11(Fri)-17(Thu)
Mishoe ~本当に必要な無駄なもの展~

ハンドメイド靴職人の木口充恵さん主宰シューズブランド「Mishoe(ミッシュ)」の販売展示会が行われます。
東京・目黒区「vm(ヴーム)自由が丘店」主催の「本当に必要な無駄なもの展(第3回)」にて、12月11日(金)~17日(木)まで。※Mishoeクリエイター来店日は12/11(金)、12(土)、13(日)。
古くからの製法でつくられた靴「ターンシュー」は、他にはない軽さ・柔らかさを感じていただけます。毎日に必要な身近なモノだからこそ、何気なくそばにある心地よさは大切にしたいもモノでもあります。

開催期間:2015年12月11日(金)~12月17日(木)
時間:11時~19時
場所:vm(ヴーム)自由が丘店
東京都目黒区自由が丘2-16-25 シグナルヒル103
地図:東京都目黒区自由が丘2-16-25 シグナルビル103
vm(ヴーム)ホームページ
http://www.vm-blue.co.jp/

「時代を彩った 名靴、流行靴30選」東京・銀座TIME&EFFORT(2015年3月10日~15日)に行ってきました。

J-Shoes Chronicle1945~2015「時代を彩った 名靴、流行靴30選」
靴祭り、1960年ミスシューズコンテスト、靴のモードショウ、靴モードコンクール入選靴展示の様子
3月15日は「靴の記念日」。明治3年(1870)年3月15日に、築地入舟町に日本で初めての靴工場がつくられました。その「靴の記念日」にちなんで、 東京・銀座にある「TIME&EFFORT」の2Fで、J-Shoes Chronicle 1945~2015「時代を彩った 名靴、流行靴30選」というイベント展示会が、2015年3月10日(火)~15日(日)のあいだ行われています。早速行ってきましたので、内容の一部を ご紹介いたします。貴重な資料の数々で、とても魅力的なイベントとなっています。どなたでも入場することができます。

場所:「TIME&EFFORT(タイムアンドエフォート)」2F /銀座8丁目・並木通り
東京都中央区銀座8-5-4 銀座マジソンビル 1F&2F
イベント期間:2015年3月10日(火)~15日(日)
詳細:http://timeandeffort.jlia.or.jp/news/2015/03/05090000.html

皮革産業資料館パンフレット、靴の歴史小冊子
会場内で配布されている、皮革産業資料館パンフレットと靴の歴史小冊子。

TIME&EFFORT店頭ウィンドウ
「TIME&EFFORT」店頭のショーウィンドウのディスプレイ。

名靴、流行靴30選 展示スペース写真1
1945年~2015年にかけての歴代の代表作(婦人靴、紳士靴)が展示されています。

名靴、流行靴30選 展示スペース写真2
写真左下は、昭和55(1980)年、パリでデビューしたデザイナー熊谷登喜男のコレクション。

名靴、流行靴30選 展示スペース写真3
1960~70年代にヒットしたプラットフォーム(厚底)の靴。

銀座ヨシノヤのパンプス
昭和42(1967)年、銀座ヨシノヤのエレガントで履き心地の良いパンプスの代表作。

マレリー紳士靴
1972、73年にイタリアで靴のオスカー賞を受賞した「マレリー」。

VAN REGAL(ヴァン リーガル)の紳士靴
昭和39(1964)年、アメトラ大流行の火付け役「VAN REGAL(ヴァン リーガル)」の商品第一号の靴たち。リーガル資料館より出展。

手製靴コンテスト金賞の靴
昭和30(1955)年前後、製靴技術コンクールで優勝した作品の数々。

昭和28年製靴技術コンクール通産大臣賞受賞の小笠原製靴の手縫い靴/茶色の内羽根ストレートチップ
中でも、私の目に留まったのは昭和28(1953)年通産大臣賞受賞の小笠原製靴の手縫い靴。茶色の内羽根ストレートチップ(キャップトゥ)。

小笠原製靴の手縫い靴 上からみた写真
50年以上前に造られたとは思えない、洗練されたラスト(木型)とその曲線美にまず驚かされました。

小笠原製靴の手縫い靴の革
使われている革も極上。ケースに入れられ展示されていましたので、手に触れることはできませんでしたが、見るだけでそのしなやかさが分かりました。キメの細かな艶といい、紳士靴に完璧な革です。細かい部分を見ても一切の妥協のない造り、造り手の気迫が伝わってきます。

通産大臣賞受賞の名靴
通産大臣賞受賞の名靴[昭和28(1953)年)]
東京都製靴連盟の第4回の製靴コンクール、手縫い靴の部で通産大臣賞を得た、小笠原製靴(小笠原光雄)のフルハンドメイドの紳士靴。60年後の今日でも輝くばかりに美しい。(東靴協会所蔵)

土佐のお菓子 龍馬のブーツ
来場先着100名にプレゼントされる靴の形をしたクッキー。土佐のおかし「龍馬のブーツ」こんがりザブレ。帰りにいただきました。

地方靴職人展(Seven Syokunins 地方から世界へ、グローカルな職人たち)へ行ってきました。

地方靴職人展のフライヤー、名刺

東京・銀座で行われている、「地方靴職人展」(Seven Syokunins 地方から世界へ、グローカルな職人たち)に行ってきました。会場は銀座8丁目・並木通りにある「TIME & EFFORT」、期間は11月8日~21日、開催時間は12時~20時。

展示会場は「TIME & EFFORT(タイム・アンド・エフォート)」というお店の2階、1階店内の正面奥にある階段を上った2階にあります。今回のイベントは、全国に拡がる個人製作者や新進工房の作品を紹介するシリーズ企画「日本の靴 百靴繚乱」の第三弾として開催され、国内7人の靴職人の作品が展示されていました。どれも手製(手づくり)ならではの個性的で素晴らしい作品で、見ているだけで楽しい靴ばかりでした。また、手製靴は革の素材感を生かした仕上げが多く、革の魅力を最大限に引きだした作品がほとんどです。普段私は紳士靴(既成靴)を販売&修理受付を手がけていますので、特に紳士靴に目がいってしまいますが、手製靴は既成靴にはないデザイン性と色、革の重厚さと風合いを生かした繊細な造りなど、手製独特の魅力があり見応えがありました。以下、今回参加(展示)されていた職人の方々です。

島野孝介(吉靴房)/京都市
岡野克俊(フォセッタ・バルバ)/愛知・豊橋
上延哲也(UENOBE)/兵庫・明石
木田浩史(スタジオイマーゴ)/福島・いわき
山本詠子(注文靴RANA)/高知・東洋町
萩原弘之(シュースケイプ)/京都市
佐々木基之(OTOPE)/大阪・堺

地方靴職人展の案内状

■「地方靴職人展」Facebookページ
https://www.facebook.com/events/375485999249005/?ref=22

■日程
2013年 11月8日(金)~11月21日(木)
■時間
12:00~20:00
■場所
TIME & EFFORT(タイム・アンド・エフォート)
東京都中央区銀座8丁目5番4号 銀座マジソンビル1・2階(展示会場は2F)

会場の「TIME & EFFORT(タイム・アンド・エフォート)」は、昨年(2013年)8月にオープンした、一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)主催の国内展示施設(ショールーム)で、店内には日本製レザーを素材にした靴やバッグなど、ファッションスタイリスト熊谷隆志氏とのコラボレーション作品が展示販売されています。

■「TIME & EFFORT」ホームページ
http://timeandeffort.jlia.or.jp/

丸の内のイルミネーション

帰り道、銀座~有楽町をぶらっと散歩して地下鉄「日比谷駅」へ。途中イルミネーションが綺麗でした。

有楽町と大手町を結ぶ、丸の内仲通り沿いの街路樹約240本のLEDイルミネーション。(2013/10/01 ~ 2014/02/16の期間限定)

「直して履く」が、文化になる日~靴を愛する人が開いた修理店~

直して履くが文化になる日

(「直して履く」が、文化になる日/シューフィルZAT’S No.35より転載)

「直して履く」が、文化になる日~靴を愛する人が開いた修理店~
靴修理は、ここ数年でミスターミニットが打ち立てたクイック修理からオールソールも普通にこなす、いわばこだわり修理に完全に舵を切った。
市場の変化は、ビジネスチャンスが顕在化したことの証し。量販店系からの他業種からの参入、また靴を志した人たちが修理で起業など、様々な動きが起こっている。
靴は本来、良い靴を買って、3年、5年、10年と長く履くものだ。長く履いてこそ、その靴の良さが引き出され、価値が増す。そのためには、修理がなくてはならず、長く履くという価値観があってこその修理だ。そして、この価値の連鎖があってこそ、「直して履く」が、文化になる。
しかし、前記したような修理ビジネスの変化、広がりが、「直して履く」文化に繋がっていくのだろうか・・・。
そんな折、気になる修理店が続けてオープンした。
「直して履く」が文化になる日、という問題意識を下敷きにして、紹介したい。

GMTファクトリー


「GMTファクトリー」
修理に留まらず カスタマイズも提案する、地域密着の小さな工場

小田急線と東京メトロ千代田線が乗り入れる代々木上原駅高架下の商業施設「アコルデ代々木上原」が6月23日、リニューアル・オープンした。
スーパーマーケットの小田急OX 、コーヒーと輸入食品のカルディ、スターバックスなど、ちょっと立ち寄りたくなる28店舗が入居しているが、GMTファクトリーは、その2階にオープンした。輸入靴卸のGMTによる靴修理店だ。
GMTは、輸入靴のヒット・メーカーだ。輸入代理店の一つとして「カンペール」を日本市場に紹介し、「ビルケンシュトック」がファッションとしてブレークするきっかけとなった原宿店を仕掛け、最近では「アイランドスリッパ」、また組織は別会社となるが、「パラブーツ」の輸入販売も、実質はGMTの仕事だ。
そんな存在なので、すわGMTの仕事がリペア・ビジネスに参入か。最終的にはそういう見方も間違いではないが、ビジネスから入らないのがGMTのやり方。だからヒットが生み出せているとも言える。
では、なぜ。その理由は、オープン地が代々木上原であることに隠されている。
GMTのオフィス&ショールームは、代々木上原にある。なぜなら、社長の横瀬秀明さんが、代々木上原で生まれ育ったから。
横瀬さんは、生まれ育った土地の人、店、街並み、それが醸し出す雰囲気を愛し、自分もその一員として、地域文化を育みたいと願って来た。
だから青山でも、原宿でもなく、代々木上原にオフィスを構えたのであり、08年には、代々木上原駅前に直営店「バーニッシュ」をオープン。代々木上原商店街に仲間入りした。
そしてGMTファクトリーは、バーニッシュに繋がっている。
「バーニッシュをオープンして初めてお客様の声が直接聞けるようになったのですが、『サイズが変わって着られなくなった』『足が痛くて履けない』、こんな声が続々。代々木上原にオフィスを開いたのは17年前。それ以来、年2回、ファミリーセールをやって来たので、相当たくさんの品物を代々木上原の皆さんに販売していた。それなのに、大事に長く使い続けたいものを使い続ける方法を伝えられていなかったのです」(横瀬さん)。
GMTファクトリーは、ここから始まった。故に代々木上原でなくてはならなかったのだ。
そしてそんな時、代々木上原駅のリニューアル計画を耳にし、「駅中にオシャレな修理・リフォーム店を作ろう」という計画が始動。また服はこっち、靴はこっちと修理店を回らなくてすむように、靴と服、それに傘や革製品全般の修理も受けられるようにと考えた。
残るは、修理店の要である技術者だが、これは問題なかった。国産物なら、不良や修理が出た場合、製造メーカーに依頼できるが、メーカーが海の向こうではそういう訳にも行かない。輸入卸は、修理メーカーや職人とネットワークを持たないと成り立たない業種なのだ。
実際の修理は、そんな業者に委託している。靴は、東京修理センター・リーガル。1972年創業で、江戸川区と千葉・市川に店舗を構え、著名インポートブランドの修理を多く手掛けている。服は、ジョルジオ・アルマーニなどのお直しなどを手掛ける職人さんだ。
GMTファクトリーのオープンで、「地域のお客さまに気に入った物を大事に長く使って欲しい」という横瀬さんの思いが実現した訳だが、横瀬さんの思いはさらに膨らんでいる。
「あるセレクトショップからパラブーツでオリジナルをといった要望があったのですが、ロットの関係でオリジナルは無理。だったら靴紐をオリジナルにして選べるようにしたらどうかと提案したら、これが大好評でした。靴紐を変えるだけで自分だけのオリジナルにできるし、またソールが減ったら、新しいデザインのソールにすれば、全く違う靴になります。修理だけでなく、リフォーム、さらにはカスタマイズの小さな工場として、GMTファクトリーを利用して欲しいと考えています」。
そして「代々木上原だけでなく小田急線沿線に出店できるといいですね」と。百貨店からも声が掛かること可能性十分だろう。
★GMTファクトリー=東京都渋谷区西原3-8-5 アコルデ代々木上原A-202 TEL03-6416-8703

ユニオンワークス


「ユニオンワークス」
嫌な思いをさせない修理を続けて15年。銀座店をオープン

ロンドンの伝統的店舗のようなファザード、店内はシャンデリアにアンティークのテーブル等々、働く人は白シャツに黒の長いエプロンのダンディな出で立ち。
企業が高級修理店を出店する場合、こんなイメージの店を作りそうだが、このモデルは、ユニオンワークスが創り上げたものだ。
創業者で代表の中川一康さんが、修理店を開いたのは、15年前。
靴修理と言えば、FC展開のクイック修理しかなかったような環境だったが、確かな修理でファンを広げ、川崎に工場兼ショップ、7年前に青山店、そしてこの6月に銀座にもオープンした。
銀座店は、銀座1丁目の裏通りだが、古いビルが残り、ギャラリーやアンティークショップが点在する。ユニオンが入るビルも数少ない古いビル。ユニオンワークスが入るのを待っていたように、ビルとファザードがマッチしている。
さて、高級修理の先駆者である中川さんは、修理の世界が現在のようになること、自店舗が4店舗になることを予想していたのだろうか。
「4店舗にしようとして、ここまで来た訳ではありませんが、高級靴ブームがあり追い風はありました。仕事が増えて、どうしようかと迷った時、三つの選択肢から選んで来ました」(中川さん)。
その選択肢とは、
①人を増やす
②価格を高くするなどして、客をフィルにかける。
③修理を断る
現在、ユニオンワークスの従業員は22名。①を選択したということだが、求人をして集めた訳ではない。働きたいという人たちが向こうからやって来た。仕事の質が、呼び寄せたのだ。
だが、22名ともなると、その仕事の質が維持できるかが、最も大きな問題となる。工場では、中川さん本人か、工場長が必ず検品している。
しかし、それより何より次の言葉。
「お客様に嫌な思いをさせないこと、それが鉄則です」。
では、「嫌な思いをさせない」とは、どういうことなのか。それが、銀座店にあったパンフレットに、印象的な言葉で書かれていた。
「(前略)自分の手にかかる靴は、ただ履けるようにするのではなく『元のデザインに近づける』事を念頭におき、自分自身の大事な靴だと思って修理します。修理したら雰囲気が変わってしまったということを無くしたいのです。(後略)」。
「青山店が軌道に乗るのに3年掛かりました。銀座店も3年やってみてダメなら閉めます」。
3年待たずして軌道に乗るに違いない。
★ユニオンワークス銀座=東京都中央区銀座1-9-3 奥野ビル103 TEL03-5159-5717

リファーレ


「リファーレ」
良い靴を売ることと修理、そして靴磨きを、一つの価値で繋げたい

東京・恵比寿にあるリファーレは、靴販売と修理を同一店舗で行っている。気になってい店なので、この機会に紹介する。
リファーレのオープンは、05年。ユニオンワークスも靴を販売しているが、オープン当時、目新しいスタイルだった。
なぜ、そうしたのか。その理由を社長の松添康太郎さんは次のように話してくれた。
「ヨーロッパでは、良い靴を当たり前で売っていて、それを長く、美しく履くために修理店、そして靴磨き店がある。こうして繋がっているのは、靴の価値が分かっているから。靴と修理、そして靴磨きを一つの店舗でやりことによって、靴の価値を知って欲しかった。
そして、タイミングとしても05年は好機だった。2000年から高級靴ブームが始まり、修理に興味が向き始めていました」。
狙い通りの反響。リファーレがプロデュースする修理店「リファインアームズ」は有楽町マルイなど4店舗となっている。
しかし、この景気。高級靴ブームは去った。そんな環境下での修理をどう見るのか。
「インポートの高級靴はダウン・トレンド。売上はピークの6掛けくらいになっているでしょう。修理は伸びているが、これからは、価値をどこに見いだすかが問題。自分は、そのポイントは、お客様とのトークだと思っています」。
松添さんは、靴好き。靴マニアと言っていいだろう。300足近いコレクションを持っているのだと言う。
だが、それを見ているだけではない。履いて、履き心地と造りを確かめ、名品とされる古い靴を手に入れると、敢えて修理させたり、時あるごとに薀蓄を語って聞かせたりしているのだそうだ。
「情報の共有が必要だからですが、修理する人間とお客との間では、もっと大事。だからうちの店では、修理する人間が必ず接客する。そうすれば、否が応でも話さなければならず、その時に靴のいろんなことが話せるように、名品を修理させたり、自分が知っていることを伝えたりしている。そのトークが情報の共有をもたらし、価値が共有できるようになる。そうなって初めて、靴の価値が分かるようになり、靴修理、靴磨きが、一つの価値観で結ばれます」。
納得である。きっと言葉で伝えるものの中に文化を育む要素が含まれていると思うから。「長く履く」が文化になる日は、遠くはないかもしれない。
個の空きに有楽町阪急が、メンズ館に全面リニューアルするが、リファーレ・プロデュースの修理店ができる予定だ。
★リファーレ=東京都渋谷区恵比寿南2-7-1-1F TEL03-5768-1373

(以上、シューフィル「ZAT’S No.35」より転載終了)

靴修理ページのトップ画面

~靴のパラダイスより靴修理&手入れのご案内~

紳士靴のソール交換修理は、当店でも全国宅配便で承っています。ぜひご利用ください。
靴修理ご案内ページへ

靴手入れページのトップ画面


靴の手入れ、革靴のメンテナンス方法を写真付きでわかりやすく説明しています。よろしければご覧ください。
靴の手入れ方法ページへ

「SHOEPHILE ZAT’S(シューフィル ザッツ/ZATS)」~靴の流行トレンド傾向や靴業界の動向がわかるフリーペーパー~

シューフィル ZATS ザッツ


「SHOEPHILE ZAT’S(シューフィル ザッツ)」
~靴の流行トレンド傾向や靴業界の動向がわかるフリーペーパー~

靴が好き!な人のためのカルチャーマガジン「シューフィル」が発行するフリーペーパー。婦人靴~紳士靴まで 最新トレンドや流行の靴、海外~国内の靴業界動向など、情報量豊富な”靴の新聞”です。
当店(靴のパラダイス)では、お買い物いただいたお品物と一緒にZATSを無料で同封するサービスを行っています。ご注文いただく際、ショッピングカート内の「ZATSを同封する(無料)」にチェックを入れてご注文ください

<シューフィル発行の書籍>

百靴事典


百靴事典(ひゃっかじてん)~靴脱ぎ文化国版[オールアバウト靴用語]~
靴のことなら何でもわかる靴用語辞典。靴関連企業や、1,600の用語を写真や1,200の図版でわかりやすく解説。全文200頁。 靴が好きな方、靴のことがもっと知りたい方、靴販売に携わる方に是非おすすめの一冊。
■ご購入はこちら→百靴事典 販売ページへ

SHOEPHILE  シューフィル


シューフィル
靴が好き!な人のためのカルチャーマガジン。既製の靴情報だけでなく、靴職人や革製品、靴の歴史や文化などの情報も豊富。靴好きの方は要チェックなマガジンです。

国内イベント-「くつくつくつく2」(靴作家4人による受注・販売・大展覧会)

くつくつくつく2の告知ポスター

(「くつくつくつく2」/シューフィルZAT’S No.35より転載)

「くつくつくつく2」
8月6~8日/東京・勝どき THE NATURAL SHOE STORE(東京都中央区勝どき4-6-1泉5倉庫)
代官山の古民家のような仕舞た屋に、靴を作ることを生業とする若者4人が集まり展示会を開いた。雑然と並べられた靴、靴、靴、靴。美しく仕立てられたドレスシューズなど一足もなかったが、靴がそれぞれの生活、生き方を語っていて面白かった。
あれは、2004年のこと。7年の歳月を経て、再び7人が集う。増満兼太郎、セツリュウ、相馬紳二郎、曽田耕が、受注・販売・大展示会。
今度の場所は、打って変わって、勝どきの倉庫に設けられた空間。喫茶コーナー、オムツ替えや授乳ができるキッズルームも用意されている。
野島孝介も京都から特別参加する。

文/写真:シューフィル

Street Snap 銀座 2011年6月(銀座の足元をストリートスナップ)

Street Snap 銀座

(Street Snap 銀座/シューフィルZAT’S No.35より転載)

Street Snap 銀座
震災後の商戦は、東京地方では、4月は3月の落ち込みの反動で前年比2ケタ増も。このまま回復基調に入ると思いきや、ゴールデンウィークは1ケタ、もしくは前年並み、その後は多少の盛り上がりはあったが、既にセールに突入といった状況だ。
では、街のファッションはどうなっているのか。
街頭定点撮影から銀座の6月の状況を紹介しよう。

2011年6月の銀座歩行者の靴のストリートスナップ


5月のオープントゥに代わってパンプス、流れはこっちか・・・。
撮影日は、6月12日。天候は、曇りのち一時雨。平均気温は、23.2度。
6月は下旬には梅雨の最中に関わらず真夏日、さらに猛暑の日も記録となったが、上旬~中旬は、寒いと感じる日もあるほどだった。
しかし、着替えの6月。足元はサンダル中心だ。
そんな中で興味深いのは、サンダル中心は5月のリサーチでも同様だったが、6月の方がパンプスが目立つことだ。丸物系ということで見ても、昨年6月はオープントゥが目立ったのに、今年はオープントゥよりパンプスが選ばれている印象だ。
パンプス台頭は、今後の靴種の流れの焦点になると思われるが、パンプスへの流れが確実になっているということか。
変わらないのは、バレリーナ系の強さだ。流行というより、サンダル、パンプスと並ぶ靴種として定着した感さえある。
6月、その中でも目立ったのが、「トリー・バーチ」。
ニューヨークのラグジュアリー・ブランドとして、数年前から話題になっているブランドだが。09年末に銀座に初の海外フラッグシップをオープン。それを契機に百貨店内への出展を加盟しており、銀座では三越、松屋、さらに有楽町松屋にもショップがある。
こうした売場拡大の影響が大いにあると思われるが、ファッション的に言うと、コンセプトはアメリカンスポーツウェア。そしてイメージソースは、独立宣言が行われた、アメリカ最古の都市、フィラデルフィア。ニュートラの匂いがする。
サンダルはグラディエーターの派生的デザインが主流。しかしストラップで足を覆うスタイルから、面をカットしたオープン物的手法でグラディエーター風に仕立てたタイプへの移行も見られる。
色は、茶系を中心としたアース系が中心だが、パンプスを見ると色物、柄物が後退し、代わってシルバーが出て来ている雰囲気がする。
因みに色は経済や心理を反映するが、シルバーは、物質的欲求より精神的欲求の高まりを表し、景気が悪い時に人気が高まるとか。

2010年6月と2011年5月の銀座歩行者の靴のストリートスナップ


■昨年6月(写真左)
2010年6月6日撮影 天候:晴れ後薄曇り 平均気温:21.4度
■今年5月(写真右)
2011年5月4日撮影 天候:晴れ後一時薄曇り 平均気温:17.3度

文/写真:シューフィル

海外レポート – ミカムに続きミペルにもジャパンブース

ミペルのジャパンブース

(ミカムに続きミペルにもジャパンブース/シューフィルZAT’S No.35より転載)

「ミカムに続きミペルにもジャパンブース」ミカム12社、ミペル6社が出展
ミラノで開催の国際靴見本市ミカムに08年秋からジャパンブースが設置されているが、平成23年度も継続、加えて同時開催の国際皮革製品見本市ミペルにも、ジャパンブースが設置されることになった。
ミペル・ジャパンブースは、ミカムと同じく経済産業省紙業服飾品課(7月1日付で課名変更)が主催のAIMPES(イタリア皮革製品組合)と直接交渉し、実現した。またミカムは出展まで同課が直接運営しているが、ミペル・ジャパンブースは、日本皮革産業連合会によって運営される。
ミカム、ミペルの会場は、ロー見本市会場。ジャパンブースは、靴が今年3月と同じくミカム4号館に128平米、バッグはミペル8号館<オーバーシーズ>エリアに96平米。
2012年春夏展は、9月18~21日だが、出展者は5月に公募し、選定委員会の選考を経て、ミカム12社、ミペル6社が、次のように決定している。

●ミカム
エルピーディー(初出展)、叶う屋、サンダー商事、シーエヌグローバル、シャミオール、ディ・ライツ・クリエイティブ(初出展)、テツヤ・ウエノベ、パッソ(初出展)、ビッグマウンテン、ビナセーコー、プロスパー(初出展)、リーガルコーポレーション

●ミペル
ウィズ(鞄・ハンドバッグ・革小物)、大峽製鞄(鞄・革小物)、キクヒロ(ハンドバッグ)、ディ・ライツ・クリエイティブ(ハンドバッグ)、ファンス(鞄・革小物)、ルポア(革小物)

「同時開催のシナジー効果で、日本製品をアピール」
経済産業省紙業服飾品課 坂本敏幸課長

見本市出展事業を経済産業省が直接運営するのは珍しいことだが、ミカムは4年目に入り、さらにミペル・ジャパンブースも直接交渉によって実現した。同省紙業服飾品課・坂本敏幸課長に、その意図を聞いた。
坂本課長は今年初め、イタリア靴産業を視察している。
–ミカム出展継続の理由は?
坂本– 過去6回の出展結果を見ると、回を追うごとに成果が上がっており、来場者の評価も継続出展によって高まっている。継続が何よりも重要と判断した。
–ミペルにもというのは?
坂本– シナジー効果を狙った。ミカム、ミペルは同会場、同会期で開催される。両方にジャパンブースがあれば、訴求力がアップするし、互いに存在を知らし会合えるので、来場者数の面でも効果が期待できる。
ミカム・ジャパンブースを直接運営することは、我々も海外の靴・皮革製品の業界事情やマーケット動向を肌で理解することができ、我々が靴・皮革の行政を行っていくうえでも役立っている。ミペル出展は、ミカムの際に視察し、中国、インド、タイなどのメーカーが多数出展しているのに驚かされ、かつ日本のメーカーは出展していないことを知ったことに始まっている。ミペル出展は、ミカム出展事業の成果でもある。
–ジャパンブース事業はいつまでという指針はお持ちなのか。
坂本– イタリア視察の際に靴メーカーも視察したが、多くが口にしていたのは、展示会出展、すなわちミカムの重要性。それは受注する場ということに留まらず、マーケティングのベースになっている。
革・皮革製品事業者にとって、ミカム・ミペルが、そういう存在になった時。言い方を変えると、海外市場開拓について言えば、その足掛かりを作るのは行政の仕事。海外市場に対してマーケティングという考え方が出来るようになり、出展が不可欠、当たり前になって来るまでと言えましょう。

文/写真:シューフィル