Mishoe(ミッシュ)~本当に必要な無駄なもの展~ @vm(ヴーム)自由が丘店

Mishoe
~本当に必要な無駄なもの展~
2015.12.11(Fri)-17(Thu)
Mishoe ~本当に必要な無駄なもの展~

ハンドメイド靴職人の木口充恵さん主宰シューズブランド「Mishoe(ミッシュ)」の販売展示会が行われます。
東京・目黒区「vm(ヴーム)自由が丘店」主催の「本当に必要な無駄なもの展(第3回)」にて、12月11日(金)~17日(木)まで。※Mishoeクリエイター来店日は12/11(金)、12(土)、13(日)。
古くからの製法でつくられた靴「ターンシュー」は、他にはない軽さ・柔らかさを感じていただけます。毎日に必要な身近なモノだからこそ、何気なくそばにある心地よさは大切にしたいもモノでもあります。

開催期間:2015年12月11日(金)~12月17日(木)
時間:11時~19時
場所:vm(ヴーム)自由が丘店
東京都目黒区自由が丘2-16-25 シグナルヒル103
地図:東京都目黒区自由が丘2-16-25 シグナルビル103
vm(ヴーム)ホームページ
http://www.vm-blue.co.jp/

「時代を彩った 名靴、流行靴30選」東京・銀座TIME&EFFORT(2015年3月10日~15日)に行ってきました。

J-Shoes Chronicle1945~2015「時代を彩った 名靴、流行靴30選」
靴祭り、1960年ミスシューズコンテスト、靴のモードショウ、靴モードコンクール入選靴展示の様子
3月15日は「靴の記念日」。明治3年(1870)年3月15日に、築地入舟町に日本で初めての靴工場がつくられました。その「靴の記念日」にちなんで、 東京・銀座にある「TIME&EFFORT」の2Fで、J-Shoes Chronicle 1945~2015「時代を彩った 名靴、流行靴30選」というイベント展示会が、2015年3月10日(火)~15日(日)のあいだ行われています。早速行ってきましたので、内容の一部を ご紹介いたします。貴重な資料の数々で、とても魅力的なイベントとなっています。どなたでも入場することができます。

場所:「TIME&EFFORT(タイムアンドエフォート)」2F /銀座8丁目・並木通り
東京都中央区銀座8-5-4 銀座マジソンビル 1F&2F
イベント期間:2015年3月10日(火)~15日(日)
詳細:http://timeandeffort.jlia.or.jp/news/2015/03/05090000.html

皮革産業資料館パンフレット、靴の歴史小冊子
会場内で配布されている、皮革産業資料館パンフレットと靴の歴史小冊子。

TIME&EFFORT店頭ウィンドウ
「TIME&EFFORT」店頭のショーウィンドウのディスプレイ。

名靴、流行靴30選 展示スペース写真1
1945年~2015年にかけての歴代の代表作(婦人靴、紳士靴)が展示されています。

名靴、流行靴30選 展示スペース写真2
写真左下は、昭和55(1980)年、パリでデビューしたデザイナー熊谷登喜男のコレクション。

名靴、流行靴30選 展示スペース写真3
1960~70年代にヒットしたプラットフォーム(厚底)の靴。

銀座ヨシノヤのパンプス
昭和42(1967)年、銀座ヨシノヤのエレガントで履き心地の良いパンプスの代表作。

マレリー紳士靴
1972、73年にイタリアで靴のオスカー賞を受賞した「マレリー」。

VAN REGAL(ヴァン リーガル)の紳士靴
昭和39(1964)年、アメトラ大流行の火付け役「VAN REGAL(ヴァン リーガル)」の商品第一号の靴たち。リーガル資料館より出展。

手製靴コンテスト金賞の靴
昭和30(1955)年前後、製靴技術コンクールで優勝した作品の数々。

昭和28年製靴技術コンクール通産大臣賞受賞の小笠原製靴の手縫い靴/茶色の内羽根ストレートチップ
中でも、私の目に留まったのは昭和28(1953)年通産大臣賞受賞の小笠原製靴の手縫い靴。茶色の内羽根ストレートチップ(キャップトゥ)。

小笠原製靴の手縫い靴 上からみた写真
50年以上前に造られたとは思えない、洗練されたラスト(木型)とその曲線美にまず驚かされました。

小笠原製靴の手縫い靴の革
使われている革も極上。ケースに入れられ展示されていましたので、手に触れることはできませんでしたが、見るだけでそのしなやかさが分かりました。キメの細かな艶といい、紳士靴に完璧な革です。細かい部分を見ても一切の妥協のない造り、造り手の気迫が伝わってきます。

通産大臣賞受賞の名靴
通産大臣賞受賞の名靴[昭和28(1953)年)]
東京都製靴連盟の第4回の製靴コンクール、手縫い靴の部で通産大臣賞を得た、小笠原製靴(小笠原光雄)のフルハンドメイドの紳士靴。60年後の今日でも輝くばかりに美しい。(東靴協会所蔵)

土佐のお菓子 龍馬のブーツ
来場先着100名にプレゼントされる靴の形をしたクッキー。土佐のおかし「龍馬のブーツ」こんがりザブレ。帰りにいただきました。

「ときわ台 つ・つ・つGARDEN(つつつガーデン)@天祖神社」に行ってきました。

つ・つ・つGARDEN(つつつガーデン)の様子
つ・つ・つGARDEN(つつつガーデン)での出展の様子

東京・板橋区「ときわ台 つ・つ・つGARDEN(つつつガーデン)@天祖神社/平成26年5月17日」に行ってきました。東武東上線「ときわ台駅」すぐの天祖神社の境内に、革小物、手づくり雑貨、ビーズアクセサリー、ガラスの器、Tシャツなど、多くのハンドクラフト製品・オリジナル作品が出展・販売されていました。

つつつガーデンの「つつつ」とは、「つくる・つどう・つながる」という意味で、ときわ台駅前にある地域の鎮守の森・天祖神社で、アート作品や音楽に触れ、ものづくり体験を通じて、人と人、人の地域のつながりを体感できるというイベント。

会場内は、若者や子供連れのファミリーなど、多くの来場客で賑わっていました。

つ・つ・つGARDEN(つつつガーデン)で行われた手品マジックショー


行われていたマジックショー。ほかにも音楽演奏、大道芸などが行われました。
会場内(境内)には、アート作品・雑貨の販売のほか、ビール・お酒などのアルコール飲料、フランクフルトなども販売されていて、飲食を楽しみながら鑑賞できます。

kobitoworks ミニチュア革靴
kobitoworks ミニチュア革靴ストラップ
kobitoworks ミニチュア革靴のソール

手のひらサイズのミニチュア革靴

出展されていたお店で購入した、本革製ミニチュアレザーブーツのストラップ(キーホルダー)。「KOBITO WORKS」というネームで、パッケージには、可愛らしい天使のような小人と靴のイラストと共に「小さな小さな職人の世界。一日の仕事を終えた工場で コビトたちが歌いながら靴を作る。そんな物語を描きました。」と書かれていまいた。絵本に出てきそうな世界。

このミニチュア革靴、実際の靴が作れる職人さんが作ったそうで、とてもリアルな作りです。ソールも本物そっくりですし、デザインやステッチ、靴紐、メダリオン(穴飾り)など、細部まで手が込んでいます。

ときわ台 つつつGARDENの案内


■「ときわ台 つ・つ・つGARDEN」Facebook
https://www.facebook.com/t3garden
■ブログ
http://t3garden.blog.fc2.com/

ときわ台 天祖神社:東京都板橋区南常盤台2丁目4−3
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地方靴職人展(Seven Syokunins 地方から世界へ、グローカルな職人たち)へ行ってきました。

地方靴職人展のフライヤー、名刺

東京・銀座で行われている、「地方靴職人展」(Seven Syokunins 地方から世界へ、グローカルな職人たち)に行ってきました。会場は銀座8丁目・並木通りにある「TIME & EFFORT」、期間は11月8日~21日、開催時間は12時~20時。

展示会場は「TIME & EFFORT(タイム・アンド・エフォート)」というお店の2階、1階店内の正面奥にある階段を上った2階にあります。今回のイベントは、全国に拡がる個人製作者や新進工房の作品を紹介するシリーズ企画「日本の靴 百靴繚乱」の第三弾として開催され、国内7人の靴職人の作品が展示されていました。どれも手製(手づくり)ならではの個性的で素晴らしい作品で、見ているだけで楽しい靴ばかりでした。また、手製靴は革の素材感を生かした仕上げが多く、革の魅力を最大限に引きだした作品がほとんどです。普段私は紳士靴(既成靴)を販売&修理受付を手がけていますので、特に紳士靴に目がいってしまいますが、手製靴は既成靴にはないデザイン性と色、革の重厚さと風合いを生かした繊細な造りなど、手製独特の魅力があり見応えがありました。以下、今回参加(展示)されていた職人の方々です。

島野孝介(吉靴房)/京都市
岡野克俊(フォセッタ・バルバ)/愛知・豊橋
上延哲也(UENOBE)/兵庫・明石
木田浩史(スタジオイマーゴ)/福島・いわき
山本詠子(注文靴RANA)/高知・東洋町
萩原弘之(シュースケイプ)/京都市
佐々木基之(OTOPE)/大阪・堺

地方靴職人展の案内状

■「地方靴職人展」Facebookページ
https://www.facebook.com/events/375485999249005/?ref=22

■日程
2013年 11月8日(金)~11月21日(木)
■時間
12:00~20:00
■場所
TIME & EFFORT(タイム・アンド・エフォート)
東京都中央区銀座8丁目5番4号 銀座マジソンビル1・2階(展示会場は2F)

会場の「TIME & EFFORT(タイム・アンド・エフォート)」は、昨年(2013年)8月にオープンした、一般社団法人日本皮革産業連合会(JLIA)主催の国内展示施設(ショールーム)で、店内には日本製レザーを素材にした靴やバッグなど、ファッションスタイリスト熊谷隆志氏とのコラボレーション作品が展示販売されています。

■「TIME & EFFORT」ホームページ
http://timeandeffort.jlia.or.jp/

丸の内のイルミネーション

帰り道、銀座~有楽町をぶらっと散歩して地下鉄「日比谷駅」へ。途中イルミネーションが綺麗でした。

有楽町と大手町を結ぶ、丸の内仲通り沿いの街路樹約240本のLEDイルミネーション。(2013/10/01 ~ 2014/02/16の期間限定)

国内イベント-「くつくつくつく2」(靴作家4人による受注・販売・大展覧会)

くつくつくつく2の告知ポスター

(「くつくつくつく2」/シューフィルZAT’S No.35より転載)

「くつくつくつく2」
8月6~8日/東京・勝どき THE NATURAL SHOE STORE(東京都中央区勝どき4-6-1泉5倉庫)
代官山の古民家のような仕舞た屋に、靴を作ることを生業とする若者4人が集まり展示会を開いた。雑然と並べられた靴、靴、靴、靴。美しく仕立てられたドレスシューズなど一足もなかったが、靴がそれぞれの生活、生き方を語っていて面白かった。
あれは、2004年のこと。7年の歳月を経て、再び7人が集う。増満兼太郎、セツリュウ、相馬紳二郎、曽田耕が、受注・販売・大展示会。
今度の場所は、打って変わって、勝どきの倉庫に設けられた空間。喫茶コーナー、オムツ替えや授乳ができるキッズルームも用意されている。
野島孝介も京都から特別参加する。

文/写真:シューフィル

海外レポート – ミカムに続きミペルにもジャパンブース

ミペルのジャパンブース

(ミカムに続きミペルにもジャパンブース/シューフィルZAT’S No.35より転載)

「ミカムに続きミペルにもジャパンブース」ミカム12社、ミペル6社が出展
ミラノで開催の国際靴見本市ミカムに08年秋からジャパンブースが設置されているが、平成23年度も継続、加えて同時開催の国際皮革製品見本市ミペルにも、ジャパンブースが設置されることになった。
ミペル・ジャパンブースは、ミカムと同じく経済産業省紙業服飾品課(7月1日付で課名変更)が主催のAIMPES(イタリア皮革製品組合)と直接交渉し、実現した。またミカムは出展まで同課が直接運営しているが、ミペル・ジャパンブースは、日本皮革産業連合会によって運営される。
ミカム、ミペルの会場は、ロー見本市会場。ジャパンブースは、靴が今年3月と同じくミカム4号館に128平米、バッグはミペル8号館<オーバーシーズ>エリアに96平米。
2012年春夏展は、9月18~21日だが、出展者は5月に公募し、選定委員会の選考を経て、ミカム12社、ミペル6社が、次のように決定している。

●ミカム
エルピーディー(初出展)、叶う屋、サンダー商事、シーエヌグローバル、シャミオール、ディ・ライツ・クリエイティブ(初出展)、テツヤ・ウエノベ、パッソ(初出展)、ビッグマウンテン、ビナセーコー、プロスパー(初出展)、リーガルコーポレーション

●ミペル
ウィズ(鞄・ハンドバッグ・革小物)、大峽製鞄(鞄・革小物)、キクヒロ(ハンドバッグ)、ディ・ライツ・クリエイティブ(ハンドバッグ)、ファンス(鞄・革小物)、ルポア(革小物)

「同時開催のシナジー効果で、日本製品をアピール」
経済産業省紙業服飾品課 坂本敏幸課長

見本市出展事業を経済産業省が直接運営するのは珍しいことだが、ミカムは4年目に入り、さらにミペル・ジャパンブースも直接交渉によって実現した。同省紙業服飾品課・坂本敏幸課長に、その意図を聞いた。
坂本課長は今年初め、イタリア靴産業を視察している。
–ミカム出展継続の理由は?
坂本– 過去6回の出展結果を見ると、回を追うごとに成果が上がっており、来場者の評価も継続出展によって高まっている。継続が何よりも重要と判断した。
–ミペルにもというのは?
坂本– シナジー効果を狙った。ミカム、ミペルは同会場、同会期で開催される。両方にジャパンブースがあれば、訴求力がアップするし、互いに存在を知らし会合えるので、来場者数の面でも効果が期待できる。
ミカム・ジャパンブースを直接運営することは、我々も海外の靴・皮革製品の業界事情やマーケット動向を肌で理解することができ、我々が靴・皮革の行政を行っていくうえでも役立っている。ミペル出展は、ミカムの際に視察し、中国、インド、タイなどのメーカーが多数出展しているのに驚かされ、かつ日本のメーカーは出展していないことを知ったことに始まっている。ミペル出展は、ミカム出展事業の成果でもある。
–ジャパンブース事業はいつまでという指針はお持ちなのか。
坂本– イタリア視察の際に靴メーカーも視察したが、多くが口にしていたのは、展示会出展、すなわちミカムの重要性。それは受注する場ということに留まらず、マーケティングのベースになっている。
革・皮革製品事業者にとって、ミカム・ミペルが、そういう存在になった時。言い方を変えると、海外市場開拓について言えば、その足掛かりを作るのは行政の仕事。海外市場に対してマーケティングという考え方が出来るようになり、出展が不可欠、当たり前になって来るまでと言えましょう。

文/写真:シューフィル

イベント情報-アキオカ・アルチザンでザッカ系職人&工房の展示販売イベント「MONO marche」

(「MONO marche in 2k540」/シューフィルZAT’S No.35より転載)

MONO marche in 2k540


アキオカ・アルチザンでザッカ系職人&工房の展示販売イベント「MONO marche」
8月4~8日の5日間、東京、秋葉原の「2k540アキオカ・アルチザン」で、ファッションザッカ系の職人&工房による展示販売会「MONO marche(モノマルシェ)」が開催される。
「アキオカ・アルチザン」は昨年9月、JR山手線・京浜東北線の秋葉原・御徒町間高架下に誕生した、32のアトリエショップなどが入居するユニークな商業施設。会場は、そのイベントスペースだが、ファッションザッカを地場産業とする台東区と台東区産業振興事業団のバックアップ、それにJR東日本の協力で開催の運びとなった。

文:シューフィル

海外レポート – Italian Traditional Shoe Product Area VIGEVANO

VIGEVANO

(Italian Traditional Shoe Product Area VIGEVANO/シューフィルZAT’S No.33より転載)

Italian Traditional Shoe Product Area VIGEVANO
”伝統の産地に息づく骨太のメーカー達”

イタリアの伝統的靴産地、ヴィジェヴァノを訪ねた。ヴィジェヴァノ輸出組合の招きとイタリア貿易振興会のサポートを得てのことだが、目的はヴィジェヴァノ輸出組合が主催するワークショップの訪問。ミカムの後、百貨店のバイヤーと一緒にヴィジェヴァノに向かった。

ヴィジェヴァノは、ロンバルディア州に属し、ミラノから車で約1時間。町のシンボルであるドゥカーレ広場は、イタリアで最も美しい広場の一つとされている。歴史は中世初期に遡り、要塞都市として発展したが、ヴィスコンティ家の支配を経て、15世紀半ばにスフォルツァ家の統治期に最盛期を迎えた。
繊維産業が興り商業も盛んになったが、19世紀半ばに繊維産業が衰退し、代わって製靴産業が興り、現在に至っている。

ワークショップは、かつて厩舎だった建物で行われた。厩舎は屋根付きの通路で城と繋がっており、誰にも見られることなく、城に出入り出来たと言う。參加メーカーは、近隣のパラビアーゴを含む16社。スタートに先立ち、ヴィジェヴァノ市市長や商工会議所の代表が挨拶したが、ワークショップ開催の趣旨は「ヴィジェヴァノの靴生産をかつてのように盛んにすることである」と。現状の目安にと、ヴィジェヴァノ輸出組合の会員数を聞くと、資材関係を含め約30社と言う。
ANCI(イタリア製靴工業界)による統計データを当たったところ、ヴィジェヴァノ単独のデータはなかったが、ロンバルディア州全体のメーカー数は、1994年=787社、2009年=461社。15年間で300社以上も減少している。
ワークショップ参加者は、そういう厳しい生き残りを生き抜いたメーカーということ。ヴィジェヴァノの代表メーカーであるモレスキーも参加していたが、有名、無名に関わらず、骨太さを感じさせられるメーカーが少なからずあった。
ミカムのような大きな見本市では、流行や価格に流されがち。靴と向き合い、メーカーの姿勢を感じ取れるという意味で、ワークショップによる交流は有意義であった。

Parabiago Collezioniの婦人靴


「Parabiago Collezioni」 社名の通り、パラビアーゴの婦人靴メーカー。サケット製法を特徴とした「ティエリー・ラボティン」を製造販売。以前はOEMが主力であったが、フランス人デザイナーのティエリー・ラボティン氏との出会いと彼の事業参加によって、オリジナルブランドの樹立に成功。工場を大幅に拡張の予定だが、生産量をそのままにし、エコ生産に徹すると言う。日本にも販売している。
info@thierryrabotin.com

Cesare Martinoliのサンダル


「Cesare Martinoli」 高級婦人靴メーカー。1944年の創業以来、アルチザンの技術と精神による華麗な婦人靴を創り続けている。世界30ケ国に顧客を有しているが、著名靴デザイナーの製品も手掛けている。ホームページの冒頭に掲げられた「Craftsmanship with an industrial spirit」が印象的。caimar@cesaremartinoli.it

Cenedella Renatoのパンプス


「Cenedella Renato」 婦人靴メーカー。日産200足。創業は1970年代。高品質で履き易い靴づくりに徹し、生産の大半がオリジナルブランド。EU各国、また香港などに400社のクライアントを持っている。ミカムの他、GDSにも出展。cenedella@libero.it

Pepeの子供靴


「Pepe」 子ども靴メーカー。生産サイズは16~39。日産350足。ステッチダウンやサケットと、子どもの足に良い製法にこだわり製造。価格はサイズによって異なるが、FOB30ユーロ前後~40ユーロ台半ばが中心。子ども服展示会のピッティ・イマジネ・ビンボ(フィレンツェ)、プレイタイム(パリ)に出展。パリ・サンジェルマンにブティックを持っている。info@pepechildrenshoes.it

Emozioniの婦人靴


「Emozioni」 2000年に4社が合併して発足した婦人靴メーカー。ヴィジェヴァノの他、フィレンツェ、マルケ、ナポリに工場があり、それぞれが得意なテイストを分担、またミラノにショールームを持っている。日産3000足。中心FOB40~50ユーロ。
info@ariashoes.com

Moreschiの靴、底付け工場、職人


「Moreschi」”巨大近代設備と手縫い職人” ヴィジェヴァノを代表し、かつ世界的に知られる高級靴メーカー。日本でもモカシンを代表とする高級紳士靴として、古くから広く認知されている。現在は婦人靴、バック、ベルトを含み、企画はもとよりすべての工程を、この一工場で行うが、近代設備の傍らで、モカを手縫いしている職人が印象的だ。
従業員は企画を含め300人。日産1000足。
産地の陰りに反して、なぜモレスキーは・・・と質問すると「高品質を貫いてきたのは言うまでもないが、利益を上げるシステムを構築し、その利益を常に靴ビジネスに投資して来たから」(ステファノ・モレスキー氏)という答えが返って来た。
custmerservice@moreschi.it

国際靴博物館に展示の婦人靴、アレキサンダー・マックィーンの作品


国際靴博物館 ~産地ヴィジェバノと靴の歴史を伝える~
場所は、スフォルツェスコ城の中。そもそも博物館は、靴収集家であったピエトロ・ベルトリーニ氏がコレクションを、1950年代に市に寄贈したことから始まったが、2003年に現在地に移設された。
移設時は400点だった収蔵点数は、現在、2500点に。これは2004年から館長を務めるアルマンド・ポリーニ氏の功績。ポリーニ館長は、1970~90年代に活躍した靴デザイナーであり、ANCIの副会長も務めた人だ。靴そのもの、ヴィジェヴァノの靴づくりの歴史、それに現代のデザイナーの作品にも目を向け、日本のホウジョウプランニングの靴も収蔵・展示されている。

文/写真:シューフィル

海外レポート – 国際靴見本市「GDS 2011」in ドイツ デュッセルドルフ

国際靴見本市GDSの様子

(2011年 国際靴見本市「GDS」レポート/シューフィルZAT’S No.33より転載)

小売市場の活況を反映して、オプティミスティックなムード 来場者は2万4500人
独・デュッセルドルフで開催の国際靴見本市GDS&グローバルシューズが3月16~18日に開催された。グローバルシューズは途上国のOEMメーカーを中心とした見本市だ。
出展社は、GDS844社、グローバルシューズ376社、合計1220社。日本からの出展もあり、力王が6号館、タナカユニバーサルが4号館(ホワイト・キューブス)に出展した。

ドイツ靴産業の現状グラフ

来場者は、約2万4500人だった。オーガナイザー発表の最終リリースは、前年同期には触れていないが、来場者の反応は良好と伝えている。特に今回は水曜日~金曜日の3日間開催だったが、これについて「来場者は満足」としている。
こうした来場者の反応は、そもそも市場の好転に起因しているかもしれない。

ドイツ靴工業会が記者会見で発表したところによると、2010年年間売上高は、前年比10%増の21億3300万ユーロ。特に下半期の伸びが高く、前年同期比16.6%を示した。また内訳は、国内が6.8%増の15億3300万ユーロ、海外(輸出)が19.1%増の6億ユーロ。輸出の伸び率が高いが、この結果、輸出シェアは2.1%アップし28.1%となった。
輸出先は、86%がEU諸国。なかでもメインは東ヨーロッパ諸国で、最大の輸出国は、ポーランド。2010年の輸出高は、29%増加し2830万足。全体のシェアは16.4%。第2位に躍り出たのが、スロバキア。輸出高は38.2%増の1760万足(シェア10.2%)。第3位はオーストリアで、6.9%増の1630万足(同9.4%)。以下、オランダ、フランス、イギリスと続いている。
逆に落ち込んだのがロシア。2008年には500万足以上輸出していたが、2010年は300万足となった。
日本は、持ち直してきており、3.8%増の71万6000足だった。
輸入は12.9%増え、5億3300万足。輸入国は中国、ベトナムがトップ2だが、注目すべきはイタリア。かつてドイツは、イタリアにとって最大の輸出国だったが、長い間、減少する一途だった。それが2590万足となり、15.7%の増加を示したのだ。
靴小売市場も活況だ。ドイツの靴小売商連盟は、昨年の商況を次のようにレポートした。
2010年の靴専門店売上高は、8%増の79億ユーロ。アパレル店、百貨店、通信販売などを含めると、121億ユーロと推定される。連盟会員へのアンケートによると、購買頻度・単価共に増加し、品目毎の単価は、婦人靴82ユーロ、紳士靴91ユーロ、子ども靴61ユーロ(いずれも2010年下半期)。
好調は、天候に起因するところが大きい。昨年は冬が早く訪れ、かつ寒かった。加えてファッション・トレンドがムートンやファー使いに向いており、暖かそうなライナー付きのブーツが売れ、購買単価を引き上げた。
こうした小売市場の傾向を受けてか、GDSで提案された2011年秋冬物にも、ムートンや毛皮使いのブーツ系が目立った。これはミカムとも共通する傾向だ。
日本人の来場者については、東日本大震災勃発後の開催であったが、ミカム終了から1週間後であったため、帰国せずヨーロッパに留まり来場したケースが多かった。

文/写真/図:シューフィル

海外レポート – 国際靴見本市「MICAM(ミカム)2011」in イタリア ミラノ

MICAM2011

(2011年 国際靴見本市「MICAM(ミカム)」レポート/シューフィルZAT’S No.33より転載)

イタリア靴輸出は数量・金額共に2ケタ増、世界の市況は回復へ
~2011年秋冬新傾向は、ガラスとエナメルの台頭~
国際靴見本市MICAM(ミカム)が3月6~9日、ミラノで開催された。靴市場とファッションのトレンドを占う重要な見本市だが、来場者数は、前年同期比5.97%増の3万8812人だった。
3万8812人の内訳は、イタリア1万9224人、海外1万9588人、前年同期比は、イタリア8.68%増、海外3.44%増と、いずれも増加している。見た目では増加の印象は薄かったが、輸出データはイタリア靴産業の回復を示している。昨年の実績値は、11月までしか出てないが、それを基にANCI(イタリア製靴工業会)が推計したのが別表だ。

2009年2010年イタリア靴産業の生産数・輸出入数グラフ


2010年靴輸出は、67億742万ユーロ・2億2360万足、前年比はそれぞれ15.3%増・16.3%増。相手国別は1~11月の実績値となるが、主要国の伸び率は、フランス14.9%増、米国23.4%増、ロシア13.9%増。日本は金額3.5%増、数量0.4%増に留まったが、軒並み2桁の伸びを示し、世界的に景気が回復しつつあることを伺わせる。また生産も、67億3015万ユーロ・2億180万足、前年比はそれぞれ4.0%増・1.9%増と、わずかだが回復している。
しかし、ここで気付くのが、輸出数量が生産数量を上回っていることだ。輸出には再輸出が含まれているのだ。そして、ANCIのレポートは、再輸出品の輸入先がベルギーであることを示唆している。2010年においてベルギーは中国、ベトナムに次ぐ靴輸入国であり、ベルギーは、EU加盟国以外からの三角貿易の主役を果たし、イタリアに次ぐEUナンバー2の靴輸出国であることを、EU委員会統計局も認めている、記しているのだ。
つまりEU加盟国以外で生産されたものが、ベルギーに輸出され、それがイタリアなどに輸出され、さらにイタリアから他国に輸出されているということだ。
どこからベルギーに輸出されているかは、手許のデータでは不明だが、イタリアの靴輸入国(2009年)を見ると、中国、ベトナムに次いでルーマニア、チェニジア、そしてベルギー。その他EU以外の国を輸入量の多い順に記すと、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、アルバニア、セルビア、マケドニアなど。東ヨーロッパでもバルカン半島の国々、北アフリカが目立って来ている。この事実と再輸出の増加を重ねあわせると、イタリア靴生産の現状が見えてきそうだ。

ラリオの2011秋冬コレクションブースの様子

進むメーカーの合併、背後に韓国企業の影も
そして今回、会場を歩いていて気付いたことがある。それは靴メーカーのグループ化だ。ラリオ1898は、パリのサンジェルマンなどにブティックを構え、日本でも古くから知られる婦人靴メーカーだが、そのブースの外壁に「Lorenz Banfi」「Nebuloni」の文字が一緒に掲げられていた。ロレンツォ・バンフィはラリオと同格に歴史を持つ婦人・紳士靴メーカー、ネブローニは、1980年代にデビューした婦人靴ブランドだ。それがなぜ一緒のブースなのか。

「3社にストール・マンテラッシを加えた4社は、一つのグループです。2年前にラリオとマンテラッシ、昨年、バンフィとネブローニが加わり、4社のうち最大のラリオを主体としたジョイントベンチャーとして経営を進めています。ハンドメイドのマンテラッシは別ですが、工場を共有しラインを使い分け製造すれば、無駄が省け、かつ経営的にも強くなります」(ラリオ営業、ジャンルカ氏)。
ストール・マンテラッシはウェルト、マッケイ、袋モカなどの製法を駆使した高品質シューズとして知られ、本拠はフィレンツェ。ラリオはコモ、バンフィとネブローニはパラビアーゴとミラノ近郊が本拠だ。また、4社のグループ化は韓国企業の買収によるものだという業界筋の話もある。ジャンルカ氏は、社名は明かさなかったが、パートナーとしての韓国企業の存在は認めた。韓国とEUは昨年、FTA(自由貿易協定)を正式調印。今年7月に発効となるが、これを見据えた動きであることは確かだろう。
この他にも合併の事例はある。マレ(MARE)は70~80年代にファッションとして評価を高めた、マルケの婦人靴メーカーだが、3年前にファビ(FABI)の傘下に。また紳士靴のバラクーダも同時期に傘下入りした。ファビは、1万5000平米の本社を有するマルケの紳士・婦人靴メーカーだ。
イタリア靴産業は、再輸出の増加と産地対応を余儀なくされる状況下で、産地毎に企業合併を進め生き残りを図り、イタリアンシューズの発信力を維持しようとしているのだ。
2011秋冬物の傾向に簡単に触れると、目立ったのはムートン使いのショートやハーフブーツ、それにメダリオンやモカ縫いのパンプスやマニッシュなどのオーセンティック系のデザイン。つまりボリュームは、今秋冬と変わらない。そんな中、新しいトレンドは、ガラスとエナメルの台頭だ。ガラスはオーセンティック系のデサインに、エナメルはバレリーナを一歩進めたカッター、またパンプスに採用され、50~60年代調のエレガンスの台頭を思わせる。また、チェルシーブーツ風のショートブーツも目に留まり、モッズへの着目もありそうだ。
(取材協力=イタリア貿易振興会)

写真/文:シューフィル