革靴(ビジネスシューズ・紳士靴)を、長く通信販売(ネット通販)させていただいておりますが、お客様から意外と多くいただくお問い合わせのひとつが、踵(かかと)に開いた小さな穴についてです。
穴は、両足の踵に開いており、非常に小さく、貫通しています。
「不良品なのでは?」と思われ、お問い合わせをいただくことが多いです。
また、その穴が商品タグやプライスタグ(値札)などを付けるのに利用されていることから、そのために開けられた穴だと勘違いされがちですが、実は製造時に開けられた穴で、製品完成時からもともと開いている穴なのです。
この、かかとの穴のことを靴業界では「タックホール」と呼んでいます。
タックホールは、靴製造(製靴)の工程の中の「釣り込み」と呼ばれる、革靴のアッパー(甲革)を木型に入れて引っ張りながら釘で留めていく作業時に、アッパーの踵部分を木型に仮留めすることでできる穴です。
ですので、タックホールのある靴というのは、職人が一足一足手作業で製造した靴にしかなく、不良品ということでもありませんし、むしろ大量生産ではない高級紳士靴に多くみられる穴なのです。
なお、「タックホール」という呼ばれの所以は、靴業界では、釘(くぎ)のことをタックスと呼ぶことが多いので、タックスでできた穴(ホール)「タックス+ホール」という意味でからだと思われます。
タックホールについては、下記のページで詳しく説明していますので、よろしければご覧ください。
→革靴の踵(かかと)に開いた穴「タックホール」のついてのお話