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(Street Snap 銀座/シューフィルZAT’S No.35より転載)
Street Snap 銀座
震災後の商戦は、東京地方では、4月は3月の落ち込みの反動で前年比2ケタ増も。このまま回復基調に入ると思いきや、ゴールデンウィークは1ケタ、もしくは前年並み、その後は多少の盛り上がりはあったが、既にセールに突入といった状況だ。
では、街のファッションはどうなっているのか。
街頭定点撮影から銀座の6月の状況を紹介しよう。

5月のオープントゥに代わってパンプス、流れはこっちか・・・。
撮影日は、6月12日。天候は、曇りのち一時雨。平均気温は、23.2度。
6月は下旬には梅雨の最中に関わらず真夏日、さらに猛暑の日も記録となったが、上旬~中旬は、寒いと感じる日もあるほどだった。
しかし、着替えの6月。足元はサンダル中心だ。
そんな中で興味深いのは、サンダル中心は5月のリサーチでも同様だったが、6月の方がパンプスが目立つことだ。丸物系ということで見ても、昨年6月はオープントゥが目立ったのに、今年はオープントゥよりパンプスが選ばれている印象だ。
パンプス台頭は、今後の靴種の流れの焦点になると思われるが、パンプスへの流れが確実になっているということか。
変わらないのは、バレリーナ系の強さだ。流行というより、サンダル、パンプスと並ぶ靴種として定着した感さえある。
6月、その中でも目立ったのが、「トリー・バーチ」。
ニューヨークのラグジュアリー・ブランドとして、数年前から話題になっているブランドだが。09年末に銀座に初の海外フラッグシップをオープン。それを契機に百貨店内への出展を加盟しており、銀座では三越、松屋、さらに有楽町松屋にもショップがある。
こうした売場拡大の影響が大いにあると思われるが、ファッション的に言うと、コンセプトはアメリカンスポーツウェア。そしてイメージソースは、独立宣言が行われた、アメリカ最古の都市、フィラデルフィア。ニュートラの匂いがする。
サンダルはグラディエーターの派生的デザインが主流。しかしストラップで足を覆うスタイルから、面をカットしたオープン物的手法でグラディエーター風に仕立てたタイプへの移行も見られる。
色は、茶系を中心としたアース系が中心だが、パンプスを見ると色物、柄物が後退し、代わってシルバーが出て来ている雰囲気がする。
因みに色は経済や心理を反映するが、シルバーは、物質的欲求より精神的欲求の高まりを表し、景気が悪い時に人気が高まるとか。

■昨年6月(写真左)
2010年6月6日撮影 天候:晴れ後薄曇り 平均気温:21.4度
■今年5月(写真右)
2011年5月4日撮影 天候:晴れ後一時薄曇り 平均気温:17.3度
文/写真:シューフィル