カンガルー革の革靴のお手入れ方法
カンガルー革(カンガルーレザー)は、牛革と比べ非常に柔らかくしなやかです。普段のお手入れは、ソフト革専用のデリケートクリームを使用し、より艶を出したり傷や色あせを防ぐために、通常の靴クリームも併用します。
靴の手入れ(シューケア)用品の準備
黒のカンガルー革の革靴をお手入れします。用意するお手入れ用品は次の通りです。
1、シューキーパーまたは木製シューツリー
2、靴ブラシ
3、小さい靴ブラシ
4、靴クリームを塗る布
5、デリケートクリーム
6、靴クリーム
以上6点を用意します。
お手入れ方法(手順)
1、シューキーパーまたはシューツリーを入れる
靴にシューツリーを入れて、型を整えるとともにシワを伸ばした状態にします。
2、ブラッシング
ブラシで、砂やほこりをはらいます。あまり力をかけずに、できるだけいっぽう方向を心掛けると、革にも傷が付きづらく、汚れがよく落ちます。
3、細かい箇所のブラッシング
小さい靴ブラシを使って、ソールと甲革のあいだに入ったホコリや汚れをかき出します。ここにたまったホコリに湿気がつくと、甲革のひび割れやカビの原因にもなりますので、念入りにブラッシングします。ここでもできるだけいっぽう方向を心掛けると、ホコリをよくかき出せます。
4、布にデリケートクリームを取る
布に、デリケートクリームをにとります。ややたっぷりめに取るのがコツです。
5、クリームを塗る
デリケートクリームを塗っていきます。少し力をかけながら一気に靴全体に塗っていきます。汚れも落ち、革が潤ってつややかになっていきます。矢印のように円を描くように塗っていくと、均一にうまく塗れます。また、革が極端に乾燥しているところには、他の部分より少し多めのクリームを塗り込みます。特に、履きしわ周辺は乾燥しやすいので、念入りに塗り込みます。革が潤って、しわが伸びていきます。
6、乾拭き
布を平らにして、乾拭きします。ここでは、かるく拭き取る程度にしておきます。
7、靴クリームを取る
靴クリーム(黒)を布にとります。通常は少量を数回にわけて塗っていくのですが、今回の靴は色がだいぶ薄くなっている為、けっこうたっぷりめにクリームをとります。
8、靴クリームを塗る
クリームを靴全体に塗っていきます。矢印のように、円を描くように塗ると、均一にうまく塗れます。部分的に色が薄くなっているところやひっかき傷がある部分には、多めのクリームを塗って補色します。
9、拭き上げる
布のきれいな面を使って、乾拭きして艶を出します。乾拭きのコツは、できるだけ布の面を平らにして、最初はやや力をいれて余分なクリームを全体的に拭き取ったら、あとはあまり力をかけずに磨くことです。布が靴の表面に触る程度のところで、素早くスピーディーに布を滑らせながら磨いていくと、表面が平らになって美しい艶が出てきます。
10、仕上げブラッシング
最後に、ステッチ周りや履きしわ部分など、部分的にブラッシングをして細かい部分に入った靴クリームをかき出します。革を痛めないようにあまり力をかけず、できるだけいっぽう方向を心掛けます。
11、完了
以上で完了です。次に履く時まで、シュートリーは入れたままにしておきます。お履きになる30分位前に、溌水スプレーをかけておくと、雨や油をはじき汚れがつきにくくなります。
(写真の靴:VENEZIANO カンガルー革 タッセルスリップオン ビジネスシューズ 黒)
※ご注意
皮革の種類や仕上げ等によってお手入れ方法も異なりますので、目立たないところで一度お試しになってから行ってください。あくまで自己責任でお願いいたします。
(文・写真/靴のパラダイス)