足の病気や、靴による足のトラブルなどについて説明いたします。
▼外反母趾(がいはんぼし)
▼内反小趾(ないはんしょうし)
▼ハンマートゥ・屈趾症(くっししょう)
▼巻き爪(まきずめ)
▼O脚(おーきゃく・おうきゃく)
▼靴擦れ(くつずれ)
▼たこ(タコ)、魚の目(ウオノメ)
▼踝(くるぶし)の痛み、擦れ
▼爪下血腫(そうかけっしゅ)
▼水虫(みずむし)、足白癬(あしはくせん)
▼足のイヤな臭い
▼足底腱膜炎(足底筋膜炎)
▼捻挫(足首捻挫)
▼まとめ
外反母趾(がいはんぼし)
外反母趾は、足の第一趾(母趾)が、内側へくの字に変形する病変です。
原因としては、遺伝的な要因も多少あるようですが、つま先が窮屈な靴や、キツい靴を履くことで発症する場合が多いようです。
指のつけ根が赤く腫れて、痛むこともあります。
足の骨は、第一趾(母趾)の足の中の中足骨(第一中足骨)の骨頭が外側へ変形し、指の基節骨が内側へ曲がってる状態です。(ご参考:足の骨格)
外反母趾の危険度チェックです。
角度によって、軽度~重度があります。
実は、筆者の私も男性ですが外反母趾です。
子供の頃からなので、いつから発症したか憶えていません。
今でも幅のきつい靴を履くと痛みますし、そのような靴を履き続けると赤く腫れ上がってしまいます。
ですので、足幅の合った靴や、ゆったりした楽な靴を履くようにしています。
ちなみに、私の母も姉も外反母趾がひどく、双子の弟も外反母趾、母方の祖父もひどい外反母趾でした。ですので私の場合は、遺伝的な要因が強いのではないかと思います。または、変形しやすい体質なのかなと思います。
内反小趾(ないはんしょうし)
内反小趾は、外反母趾同様の変形が、第五趾(小趾)に起こる病変です。
足の骨は、第五趾(小趾)の基節骨が内側へ曲がってる状態です。
痛みを伴わない場合が多いようですが、母趾よりも変形しやすいことが特徴です。
原因としては、外反母趾同様にサイズのキツい靴、つま先の窮屈な靴を履くことや、ストッキングや靴下の圧迫なども原因になりやすいようです。
適切な靴選びやサイズ選びが、外反母趾・内反小趾を防ぐ方法です。
できるだけ足に合った靴を選びたいものです。
ハンマートゥ・屈趾症(くっししょう)
ハンマートゥは、足の指が縦にくの字に変形する病変で、屈趾症(くっししょう)とも言われます。
骨は、第二関節にあたる中節骨と基節骨の関節の変形が多く、基節骨が上向きに、中節骨が下向きに、縦にくの字に変形します。(ご参考:足の骨格)
原因は、サイズのきつい靴や、ハイヒールなどのつまが詰まる靴を、長時間履くことで足指がつま先に当たり、山型に曲がったまま戻らなくなって変形してしまうことです。
外反母趾や内反小趾も合併することもあります。
予防としては、つま先の狭い靴を履かない、サイズの合った靴を履くなどです。
巻き爪(まきずめ)
巻き爪は、足指(趾)の爪の両サイドが、アーチ型に変形し指に食い込む病変で、指を圧迫し痛みます。
爪の両サイドが、指側(下側)に食い込んで、痛みます。
特に第一趾(母趾)に発症することが多いです。
原因としては、爪を切る際に伸びた部分をにきれいに切ってしまうことと言われています。
手の指は巻き爪になりにくいので、きれいに切っても大丈夫なのですが、足の指はサイドをきれいに切ってしまうと、曲線ができてしまうために指の肉に食い込むかたちになってしまいます。
足の指の爪を切る時は、サイドを残して切るように心がけましょう。
上図左のように、両サイドを残してカットします。
手指の爪と同じように、伸びた分を図の右のように綺麗にカットしてしまうと、サイドの部分が巻き爪になってしまう原因の一つと言われています。
O脚(おーきゃく・おうきゃく)
O脚は、膝が外側へ湾曲してしまう病変です。
アルファベットの「O(オー)」のように、膝が開いてしまうことからそう呼ばれています。
逆に膝が閉じすぎてしまうX脚(えっくすきゃく)という病変もあります。
O脚の原因は様々ですが、何らかの要因で膝に対し外側へ圧力が加わることとされています。
例えば、体重を支える筋力が不足している、姿勢の悪さなどの習慣、先天的生まれつきなどです。
予防と改善方法としては、正しい姿勢と歩行、座り方、ストレッチなどが有効のようです。
靴擦れ(くつずれ)
靴擦れは、靴との摩擦や圧迫によって、主に足の踵にできる病変です。
擦り傷のような傷の場合や、圧迫によっての押し傷、摩擦の熱によって水ぶくれなど火傷のような症状がでる場合があります。
原因としては、サイズの大きい靴を履いている、サイズは合っているが紐などをゆるく結んでいるため踵が不安定、新品の靴でソールが馴染んでいないため踵がついてこない、革が硬い、靴のヒールカーブが足に合っていない、サイズがきついなどです。対処方法もそれぞれによって異なります。詳しくは、「靴擦れの原因と対処方法」をご参照ください。
たこ(タコ)・魚の目(ウオノメ)
タコとウオノメは、靴によって足裏が圧迫または摩擦によって、皮膚の一部が硬くなる病変です。
原因は、圧迫や摩擦から皮膚を守るためにできると言われています。
予防としては、タコやウオノメができた靴を履くのをやめ、当分のあいだ楽な靴を履くことです。
治療としては、患部に絆創膏を貼るか、専門の軟膏などを塗ると快方に向かうことが多いです。
魚の目(ウオノメ)は、タコと違い芯を形成しますので、皮膚に刺さるように刺激し痛みます。
できはじめはチクッと針に指されたような痛みを感じることが多いようです。
タコ同様に、ウオノメができた靴を履くのをやめて、当分のあいだは楽な靴を履くようにし、患部に専門の絆創膏や軟膏を塗ると快方に向かう場合が多いです。ご心配な場合は皮膚科を受診してください。
踝(くるぶし)の痛み・擦れ
踝が靴の履き口に当たって痛む場合があります。
また、擦れることで擦り傷ができる場合もあります。
原因としては、靴のサイズが大きい、サイズが合っているが靴の踝の位置が高い、新品で甲革が硬いなどが挙げられます。サイズが合っていない場合は、サイズの合う靴を選ぶか、インソールなどで調整します。踵部分のみインソールを敷いて、足の踵の位置を上げるのも有効です。また、甲革が硬い場合は履き口周辺を揉みほぐすと改善される場合もあります。詳しくは、「踝が当たって痛い場合の対処方法」をご参照ください。
爪下血腫(そうかけっしゅ)
爪下血腫は、指を踏まれたり、強い圧迫を受けたり、指に重いものが落下したりして、爪の下の皮膚が出血し、固まった血が、爪から透けて紫色や黒っぽく見える病変です。
ただの出血ですので、爪の生え際から新しい綺麗な爪が生えてくることで、時間はかかりますが自然に治ります。(ご参考:爪下血腫の体験談-発症から治癒まで)
ただ、痛みが続く場合やご心配な場合は、皮膚科または整形外科を受診してください。特に縦に黒い腺が現れた場合は、悪性の皮膚病の可能性もあるようですので、必ず皮膚科を受診してください。
水虫(みずむし)・足白癬(あしはくせん)
水虫は、白癬菌(はくせんきん)という真菌(カビ)の一種が、足に繁殖して起こる皮膚の病気です。足に発症する白癬(はくせん)ということから「足白癬(あしはくせん)」とも言います。
白癬菌は、髪や爪、角質などに含まれる「ケラチン」というタンパク質を好んで栄養源とするカビです。
特に、高温多湿な環境になりやすい「足」に発症しやすい病気です。
【水虫の種類】
・趾間型(しかんがた)
「ジクジク水虫」と俗に呼ばれる、足指(趾)の間にできるタイプで、特に中指(第三趾)と薬指(第四趾)の間によく見られます。赤くグジュグジュになり皮がむけたり、白くふやけたりします。
・小水疱型(しょうすいほうがた)
「ポツポツ水虫」と俗に呼ばれる、足の裏や側面(特に土踏まず部分)に、小さな水ぶくれができるタイプで、かゆみが強いことが特徴です。時間が経つと、水ぶくれが破けて皮がめくれてきます。
・角化型(かくかがた)、角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
「カサカサ水虫」と俗に呼ばれる、足のかかとなどの角質が分厚く硬くなり、白くカサカサになって、ひび割れしたりします。かゆみは少ないのが特徴で、乾燥しにくい夏場でもカサカサが治らない場合が多いです。
・爪白癬(つめはくせん)、爪水虫(つめみずむし)
爪にできる水虫で、真菌症(しんきんしょう)の一つ。爪の先端から変色していき、爪全体が白っぽくなり、表面に縦シワが生じることもあります。爪の下の角質に寄生することで爪が分厚くなり、巻き爪を併発することもあります。
水虫の治療には、塗り薬と、飲み薬があるようです。
水虫の箇所やタイプによって、治療法や薬が異なりますので、皮膚科を受診されることをお勧めいたします。
足のイヤな臭い
足からするイヤな臭いの原因は、何なのでしょうか?
イヤな臭いの原因は、足裏にかく汗の成分(皮脂や老廃物)と足の角質(皮膚)を細菌(バクテリア)が好んで分解することと言われています。足裏にかく汗は、手のひら、脇の下と同じ緊張性の発汗で、他の皮膚にかく汗とは条件が異なります。
基本的な対策としては、足を清潔にしておくことと、吸湿性の高い靴下を履くこと、履く靴の中を乾燥させ清潔にし除菌することです。また、緊張性のため無駄に汗をかかぬよう、サイズの合った靴を履くことも重要です。(ご参考:足裏の汗と靴のサイズの関係)
靴の中は、特に高温多湿になりやすく、細菌(バクテリア)が好み繁殖しやすい環境になりがちなため、イヤな臭いが生じやすくなります。靴の中をしっかり殺菌することで、劇的に臭いをなくすこともできます。(→足の臭いの原因と対策・対処方法)
足底腱膜炎(そくていけんまくえん)・足底筋膜炎(そくていきんまくえん)
足底腱膜炎(足底筋膜炎)は、足底腱膜(足底筋膜)に炎症が起き、かかとの痛み、足裏にしこりなどの症状がでる病気です。発症の原因は、長時間のスポーツによるアキレス腱への大きい負担や、加齢が原因と言われています。治療には、ふくらはぎの筋肉・アキレス腱~土踏まず部分の柔軟ストレッチや、足裏のインソールなどが有効です。(ご参考:足底筋膜炎・足底腱膜炎の体験談)
捻挫(ねんざ)・足首捻挫(あしくびねんざ)
捻挫(ねんざ)とは、関節を捻って痛めることです。
関節を結ぶ靱帯や腱、筋肉を損傷し、その周囲の血管が切れて腫れや皮下出血による変色、痛みが生じます。
手の指に起こる「突き指(つきゆび)」も捻挫の一種です。
足では主に「内反捻挫(ないはんねんざ)」と呼ばれる、足首を外側(足を内側に)捻って起こすケースがほとんどです。
主な原因は、階段の踏み外し、道の段差での踏み外し、ジャンプした際の着地時の捻り、スポーツ時の捻りなどにより、足関節を結ぶ靱帯(または腱や筋肉)を損傷し、周囲の血管が切れて腫れ上がり、痛みが生じます。
捻挫をしたら、まず応急処置をします。
まず患部を冷やすこと。冷やして出血による腫れを最上限に留めます。患部を心臓より高い位置に挙げることも有効です。長時間冷やし続けることは避けます。次は圧迫して腫れを抑えることです。包帯などで少し圧迫しながら巻きます。圧迫具合を調整しながら巻き直し、足首を固定します。そして整形外科を受診してください。
(ご参考:捻挫・足首捻挫の原因と応急処置、包帯の巻き方、セルフケア、テーピング方法)
整形外科ではレントゲンを撮り、剥離骨折などがないかチェックしてくれます。また捻挫の度合いによって、最適な治療方法を受けることができます。
まとめ
足のトラブルの原因は、スポーツの負担によるもの、加齢によるもの、靴によるものなど、様々です。
スポーツや加齢によるものへの対処はストレッチが有効です。筋肉や靱帯を常に柔らかくストレッチしてほぐしておくと、可動域を広く確保でき怪我しにくくなります。靴によるものは、サイズの合っていない(特につま先が窮屈な)靴を履き続けることが一番の原因かと思います。サイズが小さい場合は、靴を伸ばしたり(→サイズがきつい場合の対処方法)、逆に大きい場合はインソールで調整したり(→インソールでサイズ調整する方法)、水虫や臭いでお困りなどの場合は足を清潔にし靴内を殺菌したり(→足の臭いの対処方法)、適正な対処をすれば、それぞれの症状の改善と予防に繋がると思います。
日々の、歩くこと(ウォーキング)やランニングなどは、健康に大変役立つ習慣なので、できるだけ足を正常な状態に保てたら良いと思います。
(説明文/靴のパラダイス 大嶋信之)