革靴(ビジネスシューズ・紳士靴)の踵(かかと)が当たって痛い場合の対処方法

革靴(ビジネスシューズ・紳士靴)の踵(かかと)が当たって痛い場合の対処方法

革靴(ビジネスシューズ・紳士靴)の踵(かかと)部分が当たって痛い場合の対処方法をご紹介いたします。

【1】革靴のかかと部分

革靴(ビジネスシューズ・紳士靴)のかかと部分

革靴の踵部分には「月型芯」と呼ばれる、かかとを安定させるための硬めの革が入っています。他の部分に比べ硬いために、足の踵(かかと)に当たって痛む場合があります。
また、靴製造時に、甲革(アッパー)を木型にはめ込むため、履き口の革が内側(足側)にクセついています。それを外側にクセ付けるだけでも、改善できることがあります。

【2】かかとのトップライン(履き口)を揉む

かかとのトップライン(履き口)を揉む

両手を使って、かかとのトップライン(履き口)を広げながら揉みほぐします。
両手の親指で、外側へ力を入れながら、矢印の方向へ揉みます。
何度か繰り返して、摩擦熱をりようし革を柔らかくし、外側へクセ付けます。

【3】月型芯を柔らかくする

かかとを靴内に向かって内側へ折り曲げる

次に、月型芯を柔らかくします。
かかとを靴内に向かって内側へ折り曲げながら、揉みほぐします。
【2】と【3】の手順を何度か繰り返すことで、かかと部分はかなり柔らかなるはずです。
ただ、一点だけ注意が必要で、かかとを柔らかくすればするほど、踵のホールド力が落ちますので、履きにくくなってしまう恐れがあります。ですので、履き試しながら様子をみて行うようにします。

【4】ソールに屈曲クセをつける

ソールを曲げて屈曲クセをつける

また新品時やソールが硬い場合に、靴のかかとが足に付いてこないために、擦れて痛む場合があります。その場合は、ソールを屈曲させてクセ付けることで改善されることがあります。

ソールの屈曲部(ボールジョイント)

靴のつま先を地面の付けて、屈曲部を靴内から手で押さえて、ソールを曲げてクセ付けます。屈曲部は「ボールジョイント」と呼ばれる足の親指のつけ根と小指のつけ根を結んだ線です。ちょうどその部分を屈曲させるようにします。

【まとめ】

踵(かかと)が痛む原因には、以下の3つの原因が挙げられます。

1、サイズがきつい
2、サイズがゆるい
3、サイズは合っているが、ヒールカーブが合っていない

1の場合は、サイズがきついことで、かかとがめり込んで痛むケースです。
上記すべての手順でかかとを柔らかくし、幅を広げるなどしてサイズに余裕をもたせると改善できることが多いです。幅や甲を伸ばすことで、足の位置が前(つま先)にずれますので、かかとに余裕ができるためです。

ご参考:サイズがきつい(小さい)場合の対処方法

2の場合は、サイズがゆるいことで「靴擦れ(くつずれ)」と呼ばれる、歩行の度に靴のかかとと足の踵が擦れて痛むケースです。
厚めのインソールなどでサイズを調整し、かかとを安定させることで改善できることが多いです。(ご参考:インソールでサイズ調整する方法 )またサイズ調整に加え、上記手順【2】の「履き口を手で揉む」と、【4】の「ソールの屈曲クセ付け」が有効です。特に【4】ソールの屈曲クセ付けはとても有効で、靴のかかとが付いてくることで、擦れはかなり軽減されます。

ご参考:靴擦れの原因と対処法

3の場合は、月型芯を柔らかする【3】の手順と、履き口のトップラインを柔らかくする【2】の手順が有効です。また、靴修理店などで、かかとの芯の部分を金台とハンマーで叩いて柔らかくしてもらうと、改善されることがあります。

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(文・写真/靴のパラダイス